提供:週刊実話

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 「流行語大賞」や「今年の漢字」など、年末恒例のニュースの中で、ここ数年、定着してきたのが「ブラック企業大賞」だ。

 今年で7回目となる同賞は、弁護士やジャーナリストなどで構成される企画委員会が選考。2016年は女性新入社員が過労自殺した「電通」が選ばれ、昨年は営業社員をシュレッダー係に無理やり異動させた「アリさんマークの引越社」(引越社グループ)が大賞を受賞している。

 毎年、名だたる企業がヤリ玉に挙げられている中、今年も12月5日にノミネート企業が発表された。
「今年の大賞有力候補は、『スルガ銀行』ですね。破産したシェアハウス運営会社『スマートデイズ』が展開する投資を巡り、一般投資家に不当な融資を行っていたことが社会問題化しました。第三者委員会からは、その背景に過大なノルマと悪質なパワハラの常態化があると指摘されました」(経済ジャーナリスト)

 日本が世界に誇る電機メーカーもノミネート。過労で自殺者が続出した「三菱電機」のほか、過酷な残業や上司からの暴言、フィリピン人の技能実習生を不当に働かせていたことなどが発覚した「日立製作所」が入っている。

 「支店長がクイズを出し、“有給チャンス”と呼ばれるパワハラを繰り返していた『ジャパンビバレッジ東京』も有力候補です。神戸に本社をおく焼き菓子製造業者の『ゴンチャロフ製菓』、『笑笑』や『魚民』などの居酒屋を運営する『モンテローザ』も、共に社員の過労死などでノミネートされました」(同)

 ノミネートは民間だけにとどまらず、事務次官がテレビ朝日の女性記者にセクハラ発言をしたとされている「財務省」も入っている。

 このように、今年もCMなどで見かけるクリーンなイメージや、知名度からくる安心安全のイメージからはかけ離れた有名企業のブラックな労働環境の実態が炙り出された。