代表的な選手はフィリペ・ルイス、ラファエル・ゲレーロ、キミッヒ、さらにはカルバハルもこれに属する。

 日本では、鹿島アントラーズの両サイドバック、山本脩斗(左)、西大伍(右)だ。彼らが高い位置をとり、攻撃に頻繁に絡むそのサッカーは、安定感を抱かせるだけでなくバラエティだ。サッカーの見栄えもいい。日本代表に、そのまま抜擢したいぐらいだが、鹿島と言えば、かつて所属した内田篤人も想起したくなる。縦にも走れるが、中盤的なセンスも兼ね備える。復帰が待たれる選手だ。
 
 アギーレ時代は、マイボール時になると、2人のセンターバックがその間隔を空け、その間にアンカー(アジアカップ時は長谷部誠)が、ストンと下がり3バックのようなスタイルを形成した。と同時に、両サイドバックがポジションを上げた。ディフェンスラインに入ったアンカーと入れ替わるように中盤の高い位置でプレーした。つまり、布陣は4−3−3から3−4−3に変化した。サイドバックが攻撃に絡みやすい仕組みが構築されていたのだ。
 
 2015年のアジアカップ対イラク戦では、結果は1−0ながら3−0で完勝したような満足感を得たと述べたが、それは両サイドバック(長友、酒井高徳)のポジションと密接に関係していた。
 
 ハリルジャパンに求めたい数ある改善点の中でもこれが一番。サイドバックがもっと活躍するサッカーが見たい。でないとサッカーは面白くないし、今日的にもならない。