Unknown Number!!!ついに始動。宮崎秋人×松田 凌×北村 諒インタビュー「不可能なことはない、ってことを体現してみせる」
2.5次元の世界を中心に、芝居の道を歩んできた若手俳優が音楽ユニットを結成。「センターって柄じゃない」と恥ずかしそうにうつむく宮崎秋人。自らを「不安定」と言い放ち楽しそうに笑う松田 凌。そんなふたりを冷静に見ている北村 諒。こんな組み合わせ、面白くなるに決まっているじゃないか…! 舞台でもいまだ実現しなかったこの3人が生み出す音楽は、まだ誰にも予測不能。ユニット名が意味するように“未知数”の可能性を秘めている――。

撮影/すずき大すけ ヘアメイク/車谷 結、三根英世
取材・文/野口理香子

お互いの歌声を聴くのは新鮮だった(宮崎)



――音楽デビューの話を最初に聞いたときは、どんな気持ちでしたか?

北村 ドッキリですか?って思いました。驚きが一番大きかったです。
松田 しかも、まさかのこの3人という(笑)。
宮崎 3人とも冗談かと思ってたもんね(笑)。
北村 このふたりが一緒っていうのを聞いて、「じゃあ大丈夫だ」ってホッとした部分はありましたね。

――もともと歌に挑戦したいという気持ちがあった?

北村 歌は好きだけど、デビューしたいっていうのは…
宮崎 考えたことがなかったよね。

――いままでミュージカル作品などで歌う機会もあったと思いますが、今回は、作品やキャラクターに寄り添ったものではない自分たちの歌、ということで、どういうことを意識して歌っていますか?

北村 やっぱり「歌」ってすごく力をもらえるし、僕たちが歌う『キボウノヒカリ』も前向きになれる曲なので、自分自身が楽しんで歌うことが大事なのかなと思っています。楽しみながらも、自分の出せるものは全部出しました。
宮崎 なにもかも初めての経験だったから、レコーディングもMV撮影も手探り状態だったけど、3人の力を合わせて、いま出せる力を出しきったつもりです。

――松田さんはどうでしょう?

松田 役者が本業なのに歌を歌うなんて無理だよって思う人もいるかもしれないけれど、そのイメージを壊していけたらと思っています。『キボウノヒカリ』で歌っているとおり、不可能なことはないんだぞ、ということを、Unknown Number!!!として体現してみせます。

――役としての声ではなく、素の歌声を聴くことってなかなかないので新鮮だったのでは…? これまで一緒にカラオケに行ったりとかは?

北村 ない…よね?
松田 舞台で共演したときに、お互いが歌っているのを聴いたりはしてるけど。
宮崎 でもそういうときも、凌が歌っているのをオレが聴いたり、オレが歌ってるのを凌が聴いたりってよりは、ふたりで一緒にワーッて歌うことが多かったじゃん?(笑)だから改めて、お互いの歌声を聴くのは新鮮だった。
松田 3人とも特徴的な声だよね。
北村 うん、全然色が違う。



僕らの境遇と歌詞がリンクしてる(北村)



――デビュー曲の『キボウノヒカリ』は、ヒャダインこと前山田健一さんプロデュース。前向きなサウンドにテンションが上がりました!

北村 ヒャダインさんだなってすぐにわかるような楽曲です。メロディーを聴くだけで気持ちが上がる。
宮崎 サビはキャッチーで覚えやすいしね。
松田 あと、歌詞はこの3人っぽいなぁと。

――ヒャダインさんが3人にインタビューして作ったわけじゃないですよね。でも歌詞を読んでみたら…

北村 僕たちの境遇とリンクするところが多かったですね。
宮崎 自分は普段、前向きな言葉をあんまり言えない性格なので、すごく刺さりました。もちろん聴いてくださる人に届けるように歌いましたけど、それと同時に、自分の背中も押してくれる楽曲だなと思いました。



――レコーディングの際、ヒャダインさんからはどんなディレクションが?

北村 最初はまず、僕らに「一回歌ってみて」と。そこから細かく指示していただき…音のピッチとか歌い方とか。僕らそれぞれの良さ、というか個性を引き出してくれました。
宮崎 全力で取り組んだうえで、ココまでしか表現できないぞ、と思っていたラインを遥かに超えていくんですよね、ヒャダインさんに言われると。
松田 どんどん広がっていくんですよ。自分たちが無理やり広げていこうとするよりは、勝手に広がっていくっていうか。

――自分の表現の幅がどんどん広がっていく…って、すごく楽しそうですね。

宮崎 楽しかったですよ!! ヒャダインさんは本当にスゴい方。僕らの歌声を一回ざーっと聴いただけで、ココをつつけばもっと出てくるってわかっちゃう。その嗅覚がスゴい。
松田 クリエイターとしても、もちろん素晴らしい方だと思うんですけど、プロデュース力って言うんですかね?
北村 ヒャダインさんの“人を見抜く力”、本当にスゴいなと思いました。

――レコーディングを通して、自分たちの新たな可能性というか、表現方法を手にしたという感じでしょうか。

松田 ですね。こんな表現があるんだって勉強になりました。実際やるまでは、真面目に考えすぎていたというか、もっと型にハマったものになるのかなって思ってたんです。でも、ヒャダインさんもプロジェクトのみなさんも自由にやらせてくれて。
北村 想像してたよりずっと自由だったなぁ。
松田 それこそレッスンのときとか、3人でよく話してたじゃん? レコーディング大丈夫かなって。それがフタを開けてみたら「超楽しかった!!」って3人とも思えた。
宮崎 だね。本当に貴重な経験でした。



――MVではダンスも披露されていますが、練習時間は?

宮崎 半日くらい…?
松田 4時間くらいじゃない? 撮影日の前日に練習したよね。

――そうだったんですね…! 挑戦してみていかがでした? スムーズに進みましたか?

北村 いやいや…
松田 この3人だとダンスが一番できるのは秋人でしょ?
宮崎 まぁね。オレが一番センスはあるかな。
北村 ……。
松田 …言うてもですよ!? 類まれなる才能とかじゃないですよ!?
宮崎 50年に一度の…
松田 そこは100年に一度って言えよ!(笑)

――3人で揃えるっていうのは難しそうですけど…。

宮崎 そもそも揃えようっていう意識、なかったよね?
北村 なかったね。同じフリをしつつも、それぞれの個性を出していこう、というか。
松田 むしろいま言われて初めて、「揃える」という選択肢があったことに気づきました(笑)。