ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅が今季、11戦10勝と圧倒的な強さを見せている(2月7日現在)。絶好調であり、世界各国は「19歳でこんなに強くなったのだから、次の冬季五輪では異次元のジャンプを見せるのではないか」と大きく取り上げているが、日本国内ではあまり盛り上がっていない。
 「精神的にはまだ19歳。スポーツメンタルでの強さは別として、勝利インタビューのセリフは通り一辺倒。表彰台でも喜びを押し殺しているようなところがあって、テレビ的には絵になりにくい選手なんです。それが初々しいという声もありますが」(TV局スポーツ部員)

 スキーは国内ではまだマイナー競技だ。43歳のレジェンド葛西紀明や、かつて世界と対等以上に戦った複合の荻原健司らも、勝利の一報が伝えられても、イマイチ国内にその凄さが伝わり切らなかった。
 「高梨の場合も、女子のノルディック選手でW杯40勝は歴代最多。どこまで記録を伸ばしていくか…」(海外特派員)
 日本のスポーツファンは、爆勝街道まっしぐらの高梨の凄さは分かっているつもりでも、歴代最多と言われてもピンと来ないのだろう。

 また、こんな理由も聞かれた。
 「実兄がTBS社員となり、他局は“使いにくい”と遠慮している感もある。ちなみに、現在オンエア中の高梨のCMで彼女の幼少期の映像が使われていますが、一緒に映っているのがお兄さんです」(前出・TV局員)

 '18年の平昌冬季五輪では早くも、「高梨兄が現地入りし兄妹インタビューが行われる」と話すスキー関係者もいる。
 「高梨は近年のスポーツアイドルとは異なります。浅田真央、浅尾美和のようなアイドル系ではない。かと言って、19歳なので葛西のようなカリスマ性もない。高梨が正当に評価されない理由に、メディア側が彼女をどう扱うべきか迷っているせいもあるのではないか」(スポーツライター・飯山満氏)

 さらには“マジメすぎる”性格も無視できない。
 「大学生となった彼女は学業にも取り組んでおり、一時期、両立の難しさで成績を落としたこともあった。そんなことも硬い表情の遠因と言われる。せめてもっと笑ってくれればいいのですが…」(スポーツ紙記者)

 “大人”への脱皮に期待したい。