認知症の人のなかには、脳の機能低下に伴うさまざまな不安によって、過去の記憶への回帰現象として「子ども返り」する人がいるとされる。筆者は今回、「子ども返り」をした女性と、その家族のケースを取材した。群馬県の有名な温泉地の近くに、上田ミネさん(仮名)という84歳の女性が暮らしている。彼女が認知症を発症したのは、5年ほど前。