弁護士の光股知裕氏とインターン生の町田さんが、YouTubeチャンネル「となりの弁護士放送局」にて「炎上対策の最終回答は"完成しない地図"だった【ネット炎上の地図(4)】」を公開した。「ネット炎上の地図」シリーズ全4回の最終回となる本動画では、完全に防ぐことが不可能なネット炎上に対し、企業や個人がどのように向き合うべきかについて解説している。

光股弁護士はまず、契約書を整えるような予防法務とは異なり、炎上は「人がどう動くか」の問題であり、人間の感情や価値観に基づくため、論理的に完全に予測・防止することは不可能だと定義する。着物屋の広告が3年後に炎上した事例などを挙げ、価値観の変動によっても炎上は起こり得ると説明した。

さらに、近年発生した「生成AI炎上」を例に挙げ、社会が変化し新しいサービスが生まれるたびに「全く新しい火種」が誕生すると指摘。集英社のAIグラビアや日本赤十字社の新証言企画など、これまで想定していなかった事象が炎上の原因になることを解説した。

また、炎上対策としての法規制が常に「後追い」になる構造についても言及する。2012年のペニーオークション事件で顕在化したステルスマーケティング(ステマ)の問題が、法的に規制されたのは2023年10月であったことを挙げ、ルール作りには時間がかかることを示した。だからといって「ネット実名制」のような強い規制を敷いても、韓国で2007年に導入された事例が示すように誹謗中傷は減らず、むしろ副作用が大きいという。

その上で、炎上を恐れるあまり過剰に反応する「超萎縮社会」の危険性を指摘する。香川県の「うどんかるた」に寄せられたたった1件の苦情で販売中止が検討された事例を挙げ、危険な話題を一切避けるのではなく、発信活動を続けるための対策が必要だと語る。サロン型SNSのように発信と受信を分離する仕組みも一つの手だが、全てのSNSがそれに置き換わるわけではない。

結論として、炎上対策の最終回答は「炎上地図」を作り続けることだと光股弁護士は断言する。海の向こうに新大陸が発見され続けるように、未知の炎上パターンは常に現れる。過去の事例をリスト化し、新しい火種が見つかるたびに地図を描き足して地雷を避ける。この「完成しない地図」の更新を止めないことこそが、最も現実的で有効な構えであると結論付けた。

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