1945年4月6日、12時40分頃。春の瀬戸内海は、どんよりとした曇り空に覆われていた。徳山沖に停泊する戦艦「大和」の右舷後部海面に、1機の零式水上偵察機がしぶきを上げて着水した。鹿屋から飛来した、参謀長・草鹿龍之介中将と作戦甲参謀・三上作夫中佐を乗せた機体である。2人は舷梯を伝い、巨大な鋼鉄の壁を登っていく。彼らを待っていたのは、静寂だった。案内された長官公室では、第二艦隊司令長官・伊藤整一中将を始