幼い頃、家族でよく温泉へ出かけた。その帰り道、山中を続く道沿いに地元の農家の人が設けた無人販売所があり、地域で取れた野菜などが売られていた。車の中からそれを見つけた母は、「安いわね」といいながら父に車を止めさせると、その並んだ野菜を吟味しつつ1袋を取り上げて、お金を野菜の横に置かれた集金箱にちゃりんと入れた。人がおらず盗まれても不思議ではないのに、それでも善意で成り立っている無人販売所というシステ