彼はこうなると思っていなかっただろう。アレッシオ・チェルチによると、彼はミラン移籍だけを望んでいた。そしてその移籍を実現させた。そしてリーグ戦での初スタメンを望み、おそらくはゴールやアシスト、魅惑のドリブルでその一戦を記憶に残るものとしたかったはずだ。

だが実際は、18日のアタランタ戦は彼にとって初の「ケンカ」に終わってしまった。イニャツィオ・アバーテとの口論だ(クラブは否定している)。ピッチで起き、さらにドレッシングルームまで続いた。

2人が揉めたのは動きに関する問題だ。アバーテは序盤戦、中央に切り込んでサイドにスペースをつくる本田圭佑に慣れ、主役の一人となっていた。だが、チェルチは常に右サイドに陣取り、アバーテのスペースを閉ざしている。そしてナーバスになり、前半終了時に両者が言い争ったのだ。

コッパ・イタリアのサッスオーロ戦で、チェルチは活力の兆しを見せていた。おそらく、今の彼に2試合連続でそれを求めるのは難しいことだったのだろう。アトレティコ・マドリーでほぼ常にベンチに座っていた彼について、フィリッポ・インザーギ監督もコンディションが万全でないと認めている。

その結果、アタランタ戦でチェルチはほとんど見ることがなかった。最初にシュートを放ち、ジェレミー・メネスに良いボールを出したが、それ以降は何もなかった。コントロールミスが目立ち、アバーテからは叱責された。インザーギ監督はチェルチを前半だけでベンチに下げている。