内田篤人、イメージから実践へ…本田や岡崎との連携のカギは自ら考え動くこと

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 14日のホンジュラス戦(豊田)・18日のオーストラリア戦(大阪)に向け、10日から愛知県内で合宿に入っている日本代表。3日目となった12日は練習前に離脱が決まった小林悠(川崎フロンターレ)を除く22人でトレーニングにのぞんだ。ピッチの4分の1を使ったトライアングルパスから始まり、5対5+5フリーマン、8対8など前日より明らかに実戦的なメニューが多かった。

 最後の8対8では前日同様、内田篤人(シャルケ)、森重真人(FC東京)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井高徳(シュツットガルト)の4バック、今野泰幸(ガンバ大阪)がアンカー、右インサイドハーフに遠藤保仁(G大阪)、左インサイドハーフに香川真司(ドルトムント)が入った中盤3枚がずっと同組でプレーした。吉田は「(アギーレ)監督がいないからこれでやるけど、あんまり関係ないとは言ってましたよ」とコメントしたが、やはり経験豊富な選手が組んだ方が安定感が出るはずだ。新たなメンバーで果敢に挑んだ0−4で惨敗した10月のブラジル戦(シンガポール)も1つの戦い方だが、成熟したメンバーで新たな4−3−3に挑むのもまた違ったアプローチになる。今回の2連戦は後者でどういう結果が出るかを指揮官はチェックするつもりかもしれない。

 ただ、本田圭佑(ミラン)がザッケローニ体制のトップ下とは違う右サイドに入っていたり、岡崎慎司(マインツ)が右サイドから1トップに移動したりと、主力級のポジションは微妙に異なる。久しぶりに代表復帰した右サイドバックの内田にとっては、これまでとは違う位置でプレーする彼らの良さをどう引き出すかが1つのテーマになりそうだ。

「チームが変われば自分の役割も変わるので。ただ、選手はテストとか関係なく勝ちにこだわった方がいいし、誰が入るとか、システムがどうだとかは監督が考えること。前もっていくらでもイメージはできるけど、それをピッチ上でできないからワールドカップもうまくいかなかったわけだし、実際に入って自分で考えてどんどんやってかないとね」とまずは実際にやってみて感触を確かめ、そのうえで勝利を最優先に考えて動くべきだと彼は強調した。

 本田がミランで右サイドに入っているところは特にチェックしていないというが、レフティの本田が右でプレーすることに対しては「ごく普通のこと」と受け止めている。「今の時代のサッカーで右サイドの左利きはいますから。対戦相手でも何人もいますし、リベリー(バイエルン)もそうだし、普通じゃないですか。みんな騒いでるけど、そんなにね…」とアッサリしたもの。本田のプレーを見ながら、ピッチ上で的確な判断を下していくつもりのようだ。

 そういう瞬間的な察知力と判断力が彼の持ち味。現時点では右ひざの状態もあって14日のホンジュラス戦に出場するか否かは微妙だが、その際立った能力で新生・日本代表を活性化してほしいものだ。

文=元川悦子