アップルの「Apple Watch Sport」は、GPS無しで「スポーツ」ウォッチと呼べるのか?
ランニング追跡できずに「スポーツ」ウォッチと呼べるのだろうか
9日、待望の新しい「Apple Watch」が、メール通知機能やらスケッチ送信、または心拍数の送信、といったその多機能性を謳い文句に、華やかにそのベールを脱いだ。しかし、その内容を聞いてアップルには、ジョギング経験のある人がいないのではないかと疑いたくなってしまった。「スポーツ」ウォッチ(Apple Watch Sport)と呼ぶにもかかわらず、できないことがあるという。それはなんと、運動データのトラッキングである。
なぜこの機能を除外したのか、私には理解できない!
1つの重要な機能
もし、このApple Watchが単なるスマート・ウォッチであったのなら、運動データのトラッキング機能がなくてもどうこう言うつもりは無い。いちいち携帯電話を取り出すことなく手首を見るだけでメールのチェックができるという機能は、誰もが夢見ていたことであり、この点だけでも、アップルのこのスーパー・ウォッチは売り上げを伸ばすことだろう。
ところが、だ。アップルは、わざわざフィットネス人口をターゲットにしたにもかかわらず、一番重要な機能を搭載しなかったのだ。それこそがGPS機能である。
確かに、横の動きや前に移動する運動はそれほどたくさん存在しないかもしれないし、オーウェン・トーマスが記事で述べているように、この新しいウォッチがフィットネス愛好家にとって有益な機能を備えていることは確かだろう。例えば、エアロバイク、ルームランナーや縄跳びといった運動は、それほど移動することなく有効な運動結果が得られる。しかし、これらのようなフィットネス機器の多くには、距離や時には心拍数を表示してくれる機能がすでに搭載されているのだ。
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これに対して、屋外運動でのデータを測定したい場合、GPS機能がついたデバイスが必要になってくる。そのためには、GPS機能付きGarmin Watchに数万円を費やしたって構わないと考えるくらいだ。
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ランナーが、GPS機能を持たないスポーツ・ウォッチでできることといえば、この写真の二人のようにイチャつくぐらいだろう。Apple Watch Sportでは、上昇する心拍数を読み取るというが、だからなんだというのだろうか。
熱い期待は…裏切られた
誤解しないでほしい。Apple Watch Sportの良い点はたくさんあるし、私自身、iPod Nanoを片手に走りに行くことだってしばしばある。私にとってWatch Sportとは、好きな音楽を手首に着けて持ち運べることにあるので、その点では、嬉しい機能である。また、走ったり自転車に乗ったりする際に使用している、心拍数測定胸バンドの必要がないという点においてもさらに好印象だ。
だから私が感じたWatch Sportの第一印象は、このように好感触なものであったのだ:
Wasn’t impressed with the iWatch but…music while exercising and a replacement for my Garmin to track speed/calories? OK. I’m in.
- Matt Asay (@mjasay) Sep 11, 2014
Matt Asay(@mjasay) :「iWatchにはがっかりしたけど、運動しながら音楽が聞けて、今持っているGarmin Watchの代わりにもなる上に、運動・カロリーデータも測定してくれる代物だって?いいね。興味津々だよ」
しかし、Apple Watch Sportは349ドル以上(価格詳細についてはいまだ不明)ということだが、前述した機能の一体どこにこれほどの価値があるというのだろうか。私にとって値段の妥当性を決めるのはGPS機能だ。走った距離を追跡することで、自分のランニング状態が目で見てわかる。この機能が気に入ってここ数年、いくつものGarmin製品を購入してきたのだ。
それなのに、次世代ではさらにサイズが大型化している(軽量化していても)iPhoneを運動中に持ち歩くなんてことは、ごめんである。それでは小型エクササイズ機器を開発した意味がないではないか。
おまけに、私の経験から言うと、現在使用しているiPhoneで長時間自転車に乗っていても、そのGPS機能はGarmin Edge 500とは比べ物にならないほどお粗末なのだ。実は、ユタ州にあるアルパイン・ループに自転車で出かけた際に両方を使用して比較してみたことがあるのだが、Garmin Watchが完璧に距離を計測したのに対し、iPhoneのGPS機能は何度も不具合が起こるという結果になった。
GPSがなければ話にならない
アップルは、便利な機能を搭載した質の良い時計を開発したように見える。しかし、ふたを開けてみるとそれは、エクササイズ・ウォッチとしてはひどい出来で、「スポーツ・ウォッチ」とはとうてい言い難い代物だ。フィットネス・テクノロジーに最も必要であるGPS機能がないものを「スポーツ・ウォッチ」と呼ぶとは、虚偽広告にあたるのではないのだろうか。
もちろん、アップルが抱えるコストとバッテリーの問題が解決されれば、次世代の時計にはGPS機能が内蔵されるだろう。しかし、今のところ、熱狂的なファンとしてiPhoneを買うために長い列に並びながらも、私は、このWatch Sportの文句を言わずにはいられないのである。
画像提供:Apple
Matt Asay
[原文]