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これは必ずしも悪いことではない。

先週、サムスンの新製品プレス向け発表会が行われたが、Galaxy Note 4は期待を下回るものだった。

ベルリンのIFAショーで行われたプレゼンテーションは、「他の」素晴らしいガジェットのお披露目を邪魔することなく、すんなりと終えられた。「他の」というのは、Noteのバリエーションで曲面ディスプレイを搭載したGalaxy Note Edge、スマートウォッチのGalaxy Gear S、仮想現実ヘッドセットのGear VRのことである。

彼らのメッセージは単純明快。標準的なスマートフォンやファブレット(電話とタブレットを融合させたもの)は、退屈でつまらないということだ。しかし、心配無用。サムスンは、これまでのモバイル体験を変え、新デバイスの少なくとも1つはモバイル業界に大きな流れを作り出そうとしている。

では製品を見ていこう。

Galaxy Note 4

Galaxy Note 4 は無能とは言えない。ガラスより耐久性のあるメタルフレームを採用し、Note 3よりも強固で軽くなっている 。見た目もよくなった5.7 インチ画面仕様だ。

前バージョンのNoteでは、解像度1920×1080、フルHDスーパーAMOLED画面を採用されたが、新バージョンでは、ピクセル数が30%増加した解像度2560×1440、クアッドHDスーパーAMOLEDディスプレイを採用が採用されている。

バッテリは3,200 mAhから3,220 mAhとわずかに増加した。サムスンによれば、Galaxy S5の省電力機能を取り入れ、バッテリ寿命が7.5%改善したということだ。また、充電時間は短縮し、Note 4で50%チャージするまでの時間は1時間ではなく30分となっている。

スタイラス「Sペン」は本物のペンに近づけるため、圧力感度を以前の倍にしている。高級ペンメーカーのモンブラン社も、Pixおよびe-StarwalkerというNote 4 専用の特別な2種類のスタイラスを製造した。これは画面に書き込むことができる同社初のデジタル筆記具である。

その他の改良点:手ぶれ補正を強化し、低光量パフォーマンス改善したカメラは、16メガピクセル(正面)およびF1.9レンズ付きの3.7メガピクセルの前面自分撮りカメラ(後部)となっている。マルチタスキングの強化、および8方向から音を捉える新マイクを3つ採用。通話がよりクリアになるように、ノイズキャンセリング機能を改善するマイクとなっている(今でもスマートフォンは電話としての機能を失ってはいない)。

Note 4は10月に発売され、キャリアはAT&T、Verizon、Sprint、T-Mobile、US Cellular、カラーはブラック、ホワイト、ゴールド、ピンクから選ぶことが可能だ。スワロフスキーの背面カバーも選択可能になっている。

Galaxy Note Edge

サムスンの願いは「もう一度、消費者がスマートフォンに期待するものを変える」ことである、と同社の重役グレゴリー・リーは語った。その成果がGalaxy Note Edgeだ。Galaxy Note Edgeは、基本的にはNote 4と同じ電話であるが、重要な違いが1つある。画面右に曲面ディスプレイを搭載しているのだ。

サムスンは以前から、第2画面の採用に取り組んできた。4年前Samsung Continuumの大失敗が頭に浮かぶ。今回のものは、第2画面がメインの一枚ガラスの側面にあり、ディスプレイを後ろに曲げたようにも見える。サムスンがここ数年取り組んできたフレキシブル・スクリーン技術が生かされているわけだ。

第2画面スペースを確保するために、サイドが少し削られ、Note 4では5.7インチのところを、5.6インチにしている。第2画面は、通知、アプリショートカット、株式、ニュースティッカーを表示する。

おかげでユーザーはアラート、ニュース、着信コールが側面に表示されるため、邪魔されずにメイン画面の作業を続行できるようになる。これまでのところ、レビューアーの反応はいい。

しかし、本当に大切なのはユーザーの考えで、過去には第2画面は受け入れられなかった。しかし今回、ユーザーは第2画面利用を開発者に頼ることも可能だ(サムスンは、同時にソフトウェア開発キットを提供している)。


Note 4と同じように、Note EdgeはUS Cellularを除く米国の全主要キャリアで取り扱われるだろう。

Samsung Gear S

先月、サムスンがGear Sを発表し、同社のスマートウォッチ製品はさらに充実した。そしてついに先週、ステージで現物が披露された。

同社は、Gear Sは独自の3Gセルラー無線、Wi-Fi、Bluetooth、GPS位置情報機能を搭載しているという事を強調してきた。時計だけで、歩数計、アプリ操作、電話機能が使えるようになっている(先週のイベントに無かったGear Circleワイヤレスヘッドセット必須)。

サムスンは、健康に関する機能も大幅に改善した。Gear Sには心拍センサー、ステップ追跡機能があり、クラウドにデータを同期することができる。しかし、Galaxy Phone搭載のS Healthを考慮すると、健康管理機能が製品の成功を左右するとまでは言えないだろう。

ではデザインはどうだろうか。確かに、Gear S は2インチと大きいが、曲面はエレガントでスタイリッシュな魅力を与えている。大きさを感じさせない、ファッショナブルなものとなっている。

その他の重要点は、人が時計で何をできるようになるかということだ。Gear Sはモバイルとウェアラブル向けのサムスン独自オペレーティングシステム、Tizen上で動作する。Androidは採用されていない。購入を検討する際は、対応アプリが気になるだろうが、サムスンは1000以上のアプリが準備済みだと語っている。

Gear Sは最大4GBのデータを格納することができ、バッテリー寿命は2日間ということだ。貧弱な300 mAhのパワーセルで、2日間持つというのは疑わしい。私はLG Gを毎日充電しているが、それよりもバッテリー容量が少ないからだ。

Samsung Gear VR

サムスンの敵の敵は友人である。

サムスンはAndroidの採用を減らしてグーグルに迫りつつある。すでに多くのファンを抱える検索大手のモバイル向けOSを避けているのだ。そのためサムスンは、Tizenの開発とGearシリーズとスマートフォンへの採用を進めているのだ。フェイスブックが買収したOculus Riftと提携した要因もここにあると言える。

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グーグルがこのデバイスの行く手を阻んでいるのは事実だ。Google Glassは、ゴーグル型デバイスの競争(フェイスブックは仮想現実スタートアップOculus Riftを買収し、新規参入を果たした)で信用を得てリードしている。サムスンのGear VRは、グーグルがI/Oデベロッパー・カンファレンスで発表したダンボール製のVRゴーグルを洗練したものになっている。

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仕様もそれと同じと言えそうだ。その前面にGalaxy Note 4を取り付けると、非常にクリアなスーパーAMOLED画面が現れ、没入型仮想環境を映し出すのだ。ソフトウェアを使用すると、Gear VRは360度ビューが可能になり、20ミリ秒未満で仮想環境を加工およびレンダリングすることができる。OculusのCTO、ジョン・カーマックによると、AMOLEDディスプレイのパワー、スピード、美しさが被写体ぶれなどを減らす手助けとなり、仮想現実の鍵となるということだ。

他のガジェット同様に、ここでもアプリが鍵となるだろう。視聴コンテンツがほとんど無い場合、仮想現実とは一体何の意味があるのだろうか。そこで、ゲームが選択肢として自然に出てくる。電話機能内蔵でコードのもつれもない。しかし、それが唯一のシナリオではない。

Gear VRを装着すると、ユーザーは巨大な175インチ・ディスプレイを見ているかのように思うだろう。サムスンがOculus VR Cinemaと謳っているものだ。この分野で主導権を握れるかどうかは、提供できるエンターテイメントによって決まってくるはずだ。

これまで、サムスンはマーベル、IMAX、ドリームワークス、ワーナーブラザーズ、VEVOなどと提携してきた。加えて、ストリーミング・サービス大手のNetflix、Hulu、HBOなども必要とするはずだ。さもなければ、飛躍は難しいだろう。

こういった動向からサムスンの主張が透けて見えてくる。もし、昨今のモバイルイノベーションのペースにうんざりしていても、あわてる必要はない。私たちはとてもエキサイティングなものを用意している(おそらくより強く言いたいのは、アップルのイベントでもサムスンを思い出して欲しい、ということだったのだろう)。

Adriana Lee
[原文]