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ユーザーが新しいアプリをダウンロードしない現実が最新のレポートで明らかになった

これからアプリ開発者として新規参入する人は気の毒だ。少なくともcomScoreから発表された最新のレポートを見る限りではヒットアプリを生み出す難しさが浮き彫りになっている。

「The U.S. Mobile App Report」と名付けられた同社のレポートによると、ユーザーの大半はスマートフォンのアプリを使ってデジタルメディアを消費しているものの、ほとんどの人は月単位では新しいアプリをダウンロードしていないという。

この結果は極めて暗いものだ。ユーザはすでにお気に入りのアプリを見つけてしまったのかもしれない。彼らはそれらのアプリを使い大量の動画や音楽、そのほかメディアを消費する一方で新しいアプリを探すことにはあまり興味がないようだ。

アプリは好きだがダウンロードはめんどくさい

ComScoreのレポートにはポイントとなるデータがいくつか含まれている。その中でも特段驚いたのはデジタルメディアをスマートフォン(88%)で楽しむ人のほうがタブレット(82%)で楽しむ人よりも多いということだ。またスマートフォン利用者の過半数以上にあたる57%が毎日アプリを利用している。

一方このレポートいわくメディア消費の52%はモバイルアプリにて行われており、ウェブブラウジングと組み合わせるとその数字は60%まで伸びる。これは最も利用頻度が高かったフェイスブックの影響もありそうだ。なにせフェイスブックには大量の動画や写真、記事がシェアされており、デジタルメディアの宝庫となっている。

これだけ活発なユーザーも、何故か新たにアプリをダウンロードしようとしないのだ。実際スマートフォンユーザーの1/3は毎月一つ以上のアプリを新規で落とすようだが、2/3のユーザにあたる65.5%は何一つ新しいアプリをダウンロードしていない。

この理由は恐らく金銭的なものではないだろう。大半のアプリは無料かせいぜい1ドル程度に値付けられている。このトレンドは自然な流れなのかもしれない。数年間に及ぶ激動を終え、消費者の根本的な需要は満たされてしまったのかもしれない。ストリーミング、ソーシャルネットワーク、動画の共有など、ほとんどの需要にはすでに優秀なアプリが存在する。

アプリ疲れか?

他に考えられるのが、利用者自身がアプリを落として管理することに疲れているということだ。モバイルアプリをつねに管理し、ホームスクリーンに並ぶ大量のアイコンをやりくりするのは実にめんどくさい。アプリはデバイスのメモリーを消費するだけでなく最近ニュースで見かける個人情報のリークやセキュリティー問題などの心配ごとが多いのも事実だろう。

実際のところ原因は一つではなく組み合わせなのかもしれない。いずれにせよ、人々はもはや新しいアプリを試すことに興味を無くしており、これはこれからGoogle PlayやアップルのApp Storeで成功を収めたいと考えているデベロッパーにとっては決して良い兆候ではない。

確かにアプリ・ストア自体にも問題はありそうだ。Quartzが報じたとおり、iPhoneでApp Storeからアプリを発見することは極めて難しい。

言い換えれば、アップルやグーグルが優先的に扱ってくれる企業やすでに知名度が高くない限り、これからアプリでブレイクするのはかなり難しそうだ。

トップ画像提供:Cristiano Betta

Adriana Lee
[原文]