マンチェスター・ユナイテッドは、2月にアテネで行われたチャンピオンズリーグ(CL)のオリンピアコス戦で敗れたときに、デイビッド・モイーズ監督を解任すべきだったのかもしれない。『Sun』によると、試合後のホテルでのミーティングで、上層部の中にはモイーズ監督にそれを言い渡そうとした者もいるようだ。

そうならなかったのは、マンUには監督を解任する習慣がなかったからというだけだ。そこで、彼らはサー・アレックス・ファーガソン氏が後押ししたモイーズ監督と前進することに決めたのである。うまくいくことを願って。

だが、実際には最悪の結果となった。マンUは来季のCL出場権を逃し、リーグ7位に終わる恐れがある。モイーズ監督が舞台を去るのは避けられないことだった。

暫定で後任に就いたのは、レジェンドであるMFライアン・ギグス。モイーズ監督が10カ月間で最も疎外していた選手の一人だ。ギグスはチームに対する最初のスピーチで、「ユナイテッドに、ユナイテッドらしいプレーに戻ろう」と話している。

つまり、ピッチでもう女々しさは見せるなということだ。モイーズ監督はこの数カ月で何度か、選手たちに対してこの言葉を用いて“賛辞”にしていたという。自分を追いやるためにわざと悪いプレーをしていると、選手たちを批判していたそうだ。

いずれにしても、マンUは人選を間違ったことを認めたくないがために、1シーズンを捨ててしまったという印象が残る。これ以上の失敗はできない。その最初が、ギグスがずっと夢に見ていたベンチに座る最初の試合である本拠地オールド・トラフォードでの次節ノリッジ・シティ戦だ。

だが、『テレグラフ』によると、エド・ウッドワード副会長はすでにギグスに対し、シーズン後にそのベンチをルイス・ファン・ハール監督(ブックメーカーでは後任候補の最右翼)かカルロ・アンチェロッティ監督、ディエゴ・シメオネ監督のいずれかに譲らなければいけないと伝えてあるそうだ。

確かなのは、昨季と違い、人選の責任を負うのがファーガソン氏だけではなく、フロント全体になるということだ。そのため、オーナーのグレイザー兄弟は25日にマンチェスター入りするという。後任について話し、そして何より夏のマーケットに向けたプランを立てるためだ。

マンUは夏のマーケットに1億5000万ポンド(約258億円)を用意している。浮上した名前は3つ。パリ・サンジェルマンFWエディンソン・カバーニ(『ガーディアン』はすでに先週コンタクトがあったと伝えている)、バルセロナMFセスク・ファブレガス(昨夏マンUへの移籍を拒否)、そしてサウサンプトンの新星ルーク・ショーだ。