3G/LTEにも対応したiPhoneの電波強度を改善するアンテナケース

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ショッピングモールやオフィスビルの奥など電波感度の弱い場所でiPhoneを使おうとした場合、ネット接続が不安定になったり、通信速度が十分に出なかったり、通話で音声が途切れたり、といった経験のある人もいるだろう。Absoluteの「LINKASEPRO」はそんな電波接続の悩みを解決してくれるiPhone 5/5s用の電波強度改善ケースである。現在のところ日本国内では未発売。


KINKASEPRO


Absoluteは2013年にWi-Fiのみに対応した電波強度改善ケース「LIKASE」を発売したが、このLINKASEPROはWi-Fiに加え3G/4Gにも対応した新製品だ。

LINKASEはWi-Fi用に1つのアンテナしか備えていなかったが、LINKASEPROは背面にスライド式の2つのアンテナを備えている。上側がWi-Fi対応ブースターアンテナ、下側が携帯電話回線用ブースターアンテナとなっており、長さは4cmほどで、iPhoneの利用中にアンテナを引き出しても邪魔にはならないサイズだ。


下部のアンテナを引き出し3G/4G電波強度を向上させる


LINKASEPROが電波強度を向上できる携帯電話回線の周波数はBand1(2100MHz)、Band2(1900MHz)、Band4(1700/2100MHz)。3Gと4Gどちらの回線にも対応している。Band1はヨーロッパやアジアの3G、そして日本では3Gと4Gに利用されている。Band2とBand4は主にアメリカで利用されており、世界中の多くの国の通信周波数帯に対応している。


LINKASEPROを今回、香港の通信キャリアでさっそく利用してみた。香港ではBand1でLTEサービスを行っているキャリアはないため、3G/Band1でテストを行った。iPhone 5にLINKASEPROを装着し、背面下部のアンテナを引き出しても画面に表示されるアンテナピクトはマルが3つのままで変わりはない。だがここで通信速度テストを行ったところ、最大速度には確かに違いがみられた。6回テストを行ったがLINKASEPROアンテナを引き出した状態ではダウンロード速度は平均約7割の速度向上が見られた。


右がアンテナを引き出した結果。速度が向上している


なおiPhoneをテストモードにして直接電波強度を確認したところ、そちらにも差が現れたので、このLINKASEPROは確かに3G/4Gの電波強度を高めてくれているようだ。アンテナピクトがマル1つ〜2つの極度に電波環境の悪い場所であれば、より効果が得られると思われる。

Wi-Fi側のブースターアンテナは2.4GHzに対応。Wi-Fiの電波感度が悪い場所でもLINKASEPROを使ってみる価値はありそうだ。
LINKASEPROのカラーは4色、価格はUS$39.95(約4050円)となっている。

本製品は、外部アンテナに相当するため日本国内での利用するには正規対応が必要になると思われるが、日本のLTE回線(Band1/2100MHz)でも効果があるようならば、ぜひ日本でも正式に発売してほしいものだ。

KINKASEPRO