自身の新作アニメ映画について発表する富野由悠季監督

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日本のエンターテイメント作品を世界に発信するプロデューサー集団・オオカゼノオコルサマと、世界トップクラスのエフェクト・スタジオである米Legacy Effects(以下LE)が業務提携を発表した。これにより、日本のアニメや漫画を原作としたハリウッド映画に、日本のクリエイターが企画段階から関わり、世界市場へ配給することができるという。

提携第一弾作品は、『機動戦士ガンダム』で有名な富野由悠季監督の新作アニメ映画に決定。タイトルは、今回の会見で富野監督の口から直接発表されるはずだったが、「権利関係の問題をクリアするところまで至らず」という事情により発表されなかった。そこで、監督の発言から分かった新作の情報をまとめた。

過去作品のリメイクか
はじめに、富野監督は次のようなコメントをした。
「基本的に、TVアニメ発で作品を発表してきましたし、第一作としてまったくの新作というリスクをおかすわけにはいきませんので、過去のものからリメイクする可能性を考えて、今日まで2ヶ月半ほどスタッフには頑張ってもらいました。(中略)ここまでお話すれば、どういうものが今後この業務提携のなかで制作されるかということは、想像がつくのではないかと思っています」

このコメントから、過去作品のリメイクに向けて動いていたことが分かる。

ガンダムのリメイクの可能性は?
ガンダム作品は、TVシリーズを再編集した劇場版が今までも何度か公開されている。
新作がガンダムシリーズである可能性はあるのだろうか。
これについては「例えばガンダムであっても俺だったらこういう作り方ができるぞというものは、当然少しは持っています。じゃあガンダムなのかといえば、いまは僕が知らないガンダムがいっぱいありますので、それに混ざりたくありませんから、別のものでいきたいなという部分があります」と、明言はしなかった。

実は、今回の会見は本来であれば3月に行う予定だったという。
3月には、AnimeJapan 2014というイベント内で、「機動戦士ガンダムシリーズ発表会」が行われる予定だ。


時期が符合するのは偶然なのだろうか……。
昨年の発表会では、富野監督によるガンダム新作にも言及していたことから、いずれにしろ近いうちにお披露目されることは間違いないようだ。

リメイクに言及していた作品も
以前、雑誌のインタビューでリメイクに言及していた作品があった。それが『伝説巨神イデオン』だ。
“映画での復活ならあるかもしれませんね”“もしやるとしたら、全体を再構成して2時間くらいの尺”と、まんざらでもないことが伺える。
イデオンは、既にTVシリーズを再編集した劇場版を公開(完結編となる映画もその後公開)しているが、有力候補のひとつといえる。

打倒『アバター』が目標
新作についての質疑応答の際、監督は「打倒『アバター』ぐらいはいきたい!」と豪語した。余談だが、同じく壇上にいたLEの創業者は苦笑いを浮かべていた。『アバター』のキャラクターデザインもLEが手がけていたのだ。

全世界興行収入1位の記録を持つ『アバター』を倒すような作品ができたとしたら、こんなに嬉しいことはない。
富野監督にはぜひ、自身の監督作のひとつ『戦闘メカザブングル』にある名ゼリフ「なせば成る!」のような精神で世界一に挑んでほしい。
(エキサイトニュース編集部 佐藤)