「単3乾電池データ集」(発行元・おもちゃ箱)

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日頃お世話になることが多い単3乾電池。ただ、一口に単3乾電池と言ってもアルカリ、マンガン、使い捨て、充電式といった違いだけでなく、メーカー、種類も実は様々。「こんな名前の電池もあったのか」と驚いてしまうことも。そう思うと、いったいどれを選んで使えばいいのか迷ってしまうわけだが、そうして選択の一助として最近出版された小冊子がある。一体どんな内容なのか、早速手にとってみた。

その名も、『単3乾電池データ集』(発行元・おもちゃ箱)。東京・秋葉原のPC関連グッズショップ「パソコンハウス東映」で販売されている。何と102種類もの電池が独自検証されており、電圧と時間経過の関係をグラフで示したり、メーカー、製品名、製造国、最大電圧、使用期限、保存可能期間、重量、推定容量と細かく仕様を紹介しているだけでなく、入手性、コストパフォーマンス評価、最後に一言コメントが掲載されている。

そして、表紙と奥付には萌えキャラが描かれ、かたい内容ながら、ほのぼのとした雰囲気を醸している。40ページ足らずのボニュームだが、各ページに3種類ずつモノクロ写真入りで並べられており、すべて目を通すのにはそれなりに時間を要する。なお、構成は4ページから21ページがアルカリ乾電池、22ページから25ページがマンガン乾電池、26ページから37ページがニッケル水素充電池、その他となっている。

やはりアルカリ乾電池の紹介数が一番多いわけだが、中にはお馴染みのメーカー、種類のものもあれば、「永耐DUREDAY」のように聞いたことないがいかにも長持ちしそうな名前のものもある。さらに、笑えるのが「僕はスマホ充電用の乾電池です!」「私はリモコン用の乾電池です!」という名前の電池もあること。メーカーはともにFDKで、名前がそのまま使用機器を指しているので選びやすい。

また、アルカリとマンガン、前者のほうが高価な分、長寿命と分かってはいるが実際にそれがグラフで示されているのもこの冊子のいいところ。筆者はこれ見て、正直マンガン電池はあまり使いたくなくなった。それと、充電池のメーカー、種類別の電圧・時間値の差も参考になる。例えば、同じ「エネループ」でも種類が分かれており、それぞれ性能の違いが一目瞭然で分かるのが素晴らしい。一眼、ビデオカメラなどのストロボ、照明機器の電池を頻繁に使用するユーザーにとっては、このような比較データは勉強になるだろう。

薄くて軽い冊子なので、カバンに入れておけば、いざというとき役に立つ。ただ、奥付で説明されている通り、単3電池の種類は同冊子で紹介された以外にもたくさん存在するし、ロットや保存状況の違いによっても性能に微妙な差異が生じるものなので、あくまでだいたいの目安として使用してもらいたい。

単3電池仕様の機器をよく使う人、電池のブランド、性能にこだわってみるのもおもしろいかも。
(羽石竜示)