重さが700kg〜800kgある盆梅もあり、その搬入は15人がかりの大仕事になるという。「長浜盆梅展」は1月18日(土)から3月10日(月)まで、滋賀県長浜市港町にある慶雲館で開催。2月8日(土)から3月9日(日)までは夜間ライトアップもあるそうなので、別の楽しみ方もできそう

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元旦にテレビで放送していた『芸能人格付けチェック』という番組を何気なく見ていたら、1億円もの価値があるという“盆栽”が出てきた。そこまで高価なものがあるのか! と驚いたと同時に、なかなか縁のない世界だけに、かえって興味深くいろいろ調べていたところ、盆栽ならぬ、“盆梅”(ボンバイ)というものに出会った。

盆梅って? そう、鉢植えの梅、つまり梅の盆栽のこと。ちょうど1月18日(土)から滋賀県長浜市で行なわれる「長浜盆梅展」のHPを見つけたのだが、さらに驚いたことが。

テレビで見た1億円の盆栽も想像以上に大きかったが、盆梅はもっとすごそう。写真で見てもその迫力は感じられると思うが、なんでも、高さが3m近い巨木や樹齢400年を超える古木も見られるというのだから…。ってことは、一体いくらぐらいするのだろう!? なんて。

思いきって「長浜盆梅展」を主催する長浜市観光振興課に聞いてみることに。すると、こんな回答をいただいた。

「長浜盆梅展では、盆梅の鉢植えの販売コーナーがあり、1000円から最高価格で約50万円の盆梅を販売しています。もちろん、一般のお客様に購入いただけるものです。例年、2000円〜5000円ぐらいがお手頃で売れていますね。価格は何年育てたかによって決まります」

本当に、まさかのお手頃価格! そもそも一般的に買えるものだとも思っていなかったのだが、リーズナブルなので、これなら一般の人でも気軽に楽しめそう。

ちなみに、この「長浜盆梅展」は昭和27年に始まり、今年で63回目を迎える歴史あるもので、その規模も日本一。約300鉢の中から、開花時期に合わせて常時約90鉢が展示されるとか。

たとえば、樹齢400年もあるものはどうやって管理しているのか聞いてみると、「長浜市と観光協会の盆梅専門員が一年を通じて管理している」とのこと。同HPに「“盆梅の1年”」として、1年の管理の流れが書かれているのだが、これまたびっくり。おいくら? なんてところから入った自分に反省。というくらい、それはそれは管理の大変なこと! 植え替えや移植、剪定、病害虫対策に芽つみに水やり…、きっと子どもを育てるのと同じくらい手がかかる。生き物だから当たり前かもしれないけれど…。しかも、養成中のものが約1000本もあり、一人前の盆梅としてデビューできるまで、なんと10年はかかるのだとか。恐れ入りました…。

せっかくなので、盆梅に美しさの基準があるのかどうかも聞いてみた。

「美しいと感じる基準は人それぞれなので一概に言えないのですが、梅の美しさは時期によってさまざまあります。梅の観賞方法の1つに「痩老蕾希」という言葉があります。痩老は、堂々とした樹や若木よりも、古い痩せた樹の方が風情がある。蕾稀は、開いた花より開花寸前の蕾が良いと言う意味です。もちろん満開の梅が美しいという人も多いので、時期時期で美しさは変化するとお考えいただければと思います」

なるほど。確かに美しさの基準は人それぞれ。ただ、その「痩老蕾希」を楽しむなら1月がいいのかも。ひょんなところから入ってしまったけれど、1年のうち、2ヶ月しかお目にかかれないという早春の風物詩、盆梅。いつか「長浜盆梅展」でその素晴らしさを体感してみたいものだ。

ちなみに、「長浜盆梅展」の他にも、滋賀県内では様々な盆梅展が行なわれているそう。さらに長浜市はNHKで始まったばかりの大河ドラマ「軍師官兵衛」の主人公、黒田官兵衛のゆかりの地でもあるため、1月19日(日)からは「黒田官兵衛博覧会」も開催しているとのこと。この時期は何倍も楽しめそうですよ!(田辺 香)

「長浜盆梅展」
開催日時:2014年1月18日(土)〜3月10日(月)※期間中無休
9時〜17時(入館は16時30分まで)※2月8日〜3月9日は20時30分まで夜間ライトアップを実施。(入館20時まで)
開催場所:長浜市慶雲館(滋賀県長浜市港町)
アクセス:(電車)JR長浜駅から徒歩3分(車)北陸道長浜ICから約10分
料金:大人500円、小中学生200円、小学生未満無料
問合せ先:長浜市観光振興課 TEL:0749-62-4111(代)