Facebookのパクり戦略:独創性は成功に必要か
Facebookは特に革新的な企業というわけではない。しかし、成功の秘訣はどうやらそこにあるようだ。
Facebookは最近ますます露骨に、Twitterをはじめとするシリコンバレー系ベンチャー企業の模倣を行うようになってきている。11億人ものユーザーがいることを考えれば、他社の技術に素早く追随するいわゆる「ファスト・フォロワー」になっても特に問題ないということだろう。確かに、他社の発明を、それが普及してからコピーすることは戦略として正しいかもしれない。InstagramやSnapchatがどんなにFacebookを攻撃しても、結局のところ大勢の固有ユーザーだけはコピーできないからだ。
Facebookのパクリの革新的な歴史
Facebookの最新アップデートに対するレビューの内容は、同社が新機能開発について何らかのトラブルを抱えていることを示唆している。最新機能であるハッシュタグは明らかにTwitterのパクリだし、その前のInstagramビデオもTwitterのVineにそっくりだ。さらに、チェックイン機能はどうだろうか?これだってFoursquareのコピーだろう。
・・・と、Facebookの創造性の欠如について並べ立ててみたものの、実際のところ、Facebookのように多数のユーザーを持つ企業にとっては、ファスト・フォロワー(そんなに早くないこともあるが)になることは間違いなく正しい戦略なのだ。あなた方も、Facebookのインターフェースが改良されて使いやすくなったと喜んだことが記憶にないだろうか?
ところで、Facebookのホーム画面が好きな人はいるのだろうか。ここだけはFacebookのオリジナルなのだが、同時に深刻な失敗でもある。
Facebookにとって他社の機能をコピーすることは、無難どころかむしろ賢明なようだ。
Appleの例を見てみよう。Appleはスマートフォンやタブレット、ポータブルミュージックプレーヤーの発明者ではない。にもかかわらず、それらを改善したことで、未だにマーケットを支配し続けている。未来を予測することは難しく、通常はなかなか利益に結びつけることはできない。しかし、大勢のユーザーを持つことで未来を安全なものに変え、莫大な利益を得ることができたのである。
数字が証明するFacebookの正しさ
Facebookには、収益化を図る上で成すべきことがたくさんある。Hunter Walkが指摘したように、広告にもまだ改善の余地がある。Facebookはお金を生み続けなくてはならないのだ。批評家は同社が「モバイル化」しなかったことを批判したが、モバイル関連の売上げが占める割合は四半期ごとに成長し続けている。2012年第一四半期では23%だったのに対し、2013年第一四半期は30%にまで跳ね上がっているのだ。
毎月11億人のアクティブユーザーのうち、実に2/3が携帯電話からログインしている。Facebookはホーム画面やその他の仕掛けでユーザーを魅了する必要などない。ただ、既存のユーザーを満足させるために誰かが開発した機能を追加していれば良いのだ。Instagramビデオ(Twitterのパクり)やチェックイン機能(Foursquareのパクり)のように。
いくつかの数字は10代の若者が流出していることを示しているが、事実はもっと複雑である。
意欲的な買収
競合サービスが十代や他の有望なユーザー層をターゲットにして成長する一方、Facebookは淡々とプロダクトを買収してきた。既に写真のシェア機能では支配的な立場にありながらも、Instagramを獲得してモバイル写真ビジネスを始動させた。競合企業など、大金を与えてまるごと買い取ってしまえるのだ。
私がFacebookの将来を楽観視する理由はここにある。ソーシャルネットワークの巨人というポジションは、市場に現れる革新的な技術を調査し、自身のインターフェースに取り込んで機能を充実させていくのに最適だ。開発を自社で行うこともできるし、必要であれば巨人の力に物を言わせて買収することもできるからだ。
これは、Microsoftのような囲い込み戦略とは対照的である。ウォールストリートジャーナルに掲載されたRolfe Winkerの言葉を借りると、「老いぼれた馬に乗って未来を目指すMicrosoft」だ。NokiaやYahoo!、Dell、Barnes、Nobleといった他の偉大な企業たちも、その存在感を失いつつある。
優秀な競合企業の技術をパクったり買収したりしている限り、Facebookの売上げは伸び続けるだろう。ユーザーの利便性を向上させるためにもぜひそうしてもらいたい。
Matt Asay
[原文]