『ベルリンファイル』リュ・スンワン監督来日 未来の映画人にエール
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7月からの日本公開を記念して実施した特別講義にて、「父や叔父が映画好きだったので、幼い頃から自然と映画に触れていた」とルーツを明かしたリュ・スンワン監督。「高校時代には映画制作に没頭し過ぎて大学の入学試験に落ちてしまった」と言う。その後「就職をしてお金を稼ぎながらフィルムワークショップに通っていた」彼だが、「デビューまでに11本の作品を書いたがどれもコンクールや映画祭で引っかかったものはなかった。そんなときに結婚して、最後の1本と言う思いである短編映画を作った」。この作品が映画祭で認められ、00年、インディーズで制作した『ダイ・バッド 〜死ぬか、もしくは悪(ワル)になるか〜』で、センセーショナルなデビューを飾ることとなった。
映画監督を志した青春時代や映画への思いを熱く語ったリュ・スンワン監督は最後に、「映画を作るということは、なにが成功でなにが失敗というような法則があるわけではない。誰もが映画を作れば“映画監督”になる。苦労も多いとは思うが、諦めず挑戦しつづけてほしい」と未来の映画人にエールを送った。
そして翌18日、リュ・スンワン監督はジャーナリストの黒井文太郎、木村元彦とともに、映画の魅力や本作から見る世界情勢などについて熱く語るトークイベントを実施した。
2人のジャーナリストから「背景のリアルさがしっかりとしていた」という言葉を受けたリュ・スンワン監督は、「この映画を作る際に専門家の方が観ても事実だと思っていただければと思いリアリティにはこだわったので、このようなお言葉を頂けて嬉しい」と笑顔を見せた。北朝鮮の人物描写については「特にバランスの取り方に気を遣った」という彼は、「どんな体制であっても、そこに生きている人には熱い血が流れていて、人間としての感情を持っていると思う。北朝鮮の人を主人公にした時も、私たちと同じ熱い感情を持っている人間として描写するよう努めた」と明かした。
リュ・スンワン監督の最新作『ベルリンファイル』(配給:CJ Entertainment Japan)は7月13日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほかにて公開される。(写真提供=©2013 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved)