アトマイズ法に新たに開発されたこの超急冷プロセスで、かつ乾燥状態での生産が可能な装置を用いて「Fe-2.5Cr-6.7Si-2.5B-0.7C合金」のアモルファス粉末作成が試みられた。

画像4は、粉末のX線回折図形を記したものだ。

結晶の存在を示唆する明瞭なブラッグピークは見られず、アモルファス相に特徴的なブロードなハーローパターンのみが得られた。

そして画像5が、粉末の外観である。

分級ができていないため粒度にバラつきは見られるが、比較的に良好な球状粉であることがわかり、良好な流動性と焼結後の高緻密化が期待できるというわけだ。

今回の開発プロセスは、安価に大量の鉄基アモルファス微粉末を製造することを目的に開発が行われた。

アモルファス粉末作成時には特殊な冷却装置により、超急冷却することも可能である。

鉄基アモルファス微粉末の応用として軟磁性材料はもとより、精密鋳造プロセスの代替技術として注目されているMIM(Metal Injection Molding)法、溶射被膜などにも応用されつつあるところだ。

研究グループは、これらの分野の研究・開発をより力強く推進していくためにも、粉体製造における新しいプロセスの開発は必要不可欠であると考えているとコメントしている。



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