6月1日時点の就職内定率は、リクルート、ディスコ、マイナビの各社が登録学生を対象に実施している調査で、それぞれ48.0%、62.8%、42.5%(マイナビ調査は5月末時点)となり、それぞれ前年同時期の調査結果を上回った。

 リクルート調査では、6月1日時点での就職志望者のうち、大学生全体の就職内定率は5月1日時点に比べ17.3ポイント上がっている。

 文理別では文系45.8%、理系52.8%、男女別では男性51.7%、女性43.5%、地域別では関東50.7%、中部48.2%、近畿43.9%、その他地域46.4%となっている。また、理系大学院生の就職内定率は74.6%で、大学生全体の48.0%よりも26.6ポイント高い。

 ディスコ調査では、モニター回答者全体の62.3%が内定を得ている。先月調査から16.5ポイント増え、3年ぶりに6割台を回復した。前年同期比8.9ポイントの上昇については、昨年は東日本大震災の影響があり新卒採用は遅めにスタートしているため増加幅がやや大きくなっていると考えられる。

 今年の就職活動で内定率に直接影響していると想定されることは、リーマン・ショック後の景気動向と企業の業績回復、そして、経団連の倫理憲章で採用広報活動が12月1日開始になったことによる就職活動期間の短縮であろう。

 ディスコ調査の6月1日時点の過去5年の内定率を見ると、13年卒62.3%、12年卒53.4%、11年卒59.7%、10年卒62.8%、9年卒75.7%となっており上昇傾向にあるものの、13年卒の内定率はリーマン・ショック前に採用活動がほぼ終了していた9年卒に比べて10ポイント以上低い水準で、回復と呼ぶにはほど遠い状況だ。

 一方、採用広報開始が2カ月遅くなった影響についてディスコは、「4月以前に内定を出す企業は減ったが、4月以降は順調に選考が行われ、内定率という点では2カ月の短縮はマイナスに影響しなかった」と結論づけている。

 モニター1人当たりのエントリー社数は平均85.4社となり、前年同期の平均93.4社より1割減っているが、エントリーシート提出社数は平均22.2社(前年22.9社)でほとんど変化がなく活動量はほぼ前年並み。「学生の活動量が減ることはなく、 密度が濃くスケジュール的にハードな就職活動が展開された」と分析している。

 マイナビでは、6月末時点の内々定率を7月10日に発表している。それによると内々定率は50.3%で、5月末時点から7.8ポイント上昇した。内々定保有者の今後の活動は、「内々定先に満足したので活動を終了する(終了している)」割合が、前年同月比1.3ポイント増の64.2%となり、理系は男女共に7割を超えた(理系男子73.9%、理系女子70.2%)。

 未内定者を含めた、今後も活動を継続する学生の割合は全体の66.7% (未内定49.7%、内々定を保有して活動を継続する学生17.0%)となっている。

[人材採用・育成の人事専門誌「日本人材ニュースHRN」Vol.148(2012年7月13日発行)より転載] ※記事の内容は取材時点のものです。

変わる新卒採用! 新卒紹介で学生を確保
人材採用の過去、現在、未来〜即戦力時代の人材採用
大手企業 新卒採用の回復続く

日本人材ニュースHRN」は人材採用・人材育成の人事専門誌です。