厚生労働省の2011年パートタイム労働者総合実態調査によると、労務コストの効率化を理由とするパート活用が減少し、定年退職者の再雇用が増加したことが分かった。

正社員とパートの両方を雇用している事業所にパートを雇用する理由(複数回答)を聞いたところ、「人件費が割安なため(労務コストの効率化)」(48.6%)、「仕事内容が簡単なため」(36.5%)、「1日の忙しい時間帯に対処するため」(35.4%)となっている。

労務コストの効率化が、5年前の前回調査(71.7%)と変わらずトップであるものの大きく減少した。一方で、「定年退職者の再雇用のため」(17.6%)を挙げる企業が10ポイント近く上昇している。

2011年6月1日現在で、正社員以外の労働者割合は34.4%(前回2006年調査30.9%)。うちパートの労働者割合は27.0%(同25.7%)となっている。

男女別にみると、男性の正社員以外の労働者は20.3%(15.7%)、うちパートは13.8%(同11.4%)。女性の正社員以外の労働者は54.4%(同52.5%)、うちパートは45.9%(同46.2%)。5年前に比べると、男性の正社員以外の労働者の増加が目立つ。

パート労働者の割合を産業別にみると、「宿泊業,飲食サービス業」(57.9%)は6割に迫り、「卸売業,小売業」(43.3%)、「生活関連サービス業,娯楽業」(41.3%)では4割を超えている。

パートで働いている人に理由(複数回答)を聞いたところ、「主たる稼ぎ手ではないが何らかの家計の足しにするため」(56.0%)が最も多く、「生きがい・社会参加のため」(31.3%)、「自分の学費や娯楽費を稼ぐため」(27.7%)、「家計の主たる稼ぎ手として、生活を維持するため」(26.2%)の順。

今後の働き方を聞いたところ、全体では「パートで仕事を続けたい」が71.6%、「正社員になりたい」が22.0%となっているが、20〜34歳では4割以上、34〜39歳では3割以上の人が正社員になることを希望している。

調査は、全国の5909事業所、パートタイム労働者1万235人から回答を得た。

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