経済同友会が四半期ごとに実施している景気定点観測アンケート調査によると、電気料金の値上げによって減益を予想し、生産拠点の海外移転を検討する製造業の経営者が多いことが分かった。

 6月の調査結果によると、電気料金の値上げによる懸念を聞いたところ、製造業は「販売価格に転嫁できず減益を余儀なくされる」が53.1%で半数を超えた。

 次いで「先行きの不透明さから、企業マインドを慎重化させる」(37.5%)、「生産拠点等の海外移転を検討せざるを得なくなる」(31.3%)、「追加の設備投資が必要となる」(29.7%)、「取引先の海外移転により、事業展開にネガティブな影響がでる」(21.9%)となっている。

 非製造業では「先行きの不透明さから、企業マインドを慎重化させる」(37.2%)が最も多い。

 製造業では半数を超えている「販売価格に転嫁できず減益を余儀なくされる」が非製造業では26.4%、製造業では6.3%の「電気料金の値上げは、節電のみで対応する(大きな懸念はない)」が非製造業では33.1%となっており、電気料金の値上げが製造業に与える影響の大きさがうかがえる。

 日本の政治状況がビジネス上のリスクになると考えている経営者が7割近くに上っており、その理由として「政策の一貫性がないことによる、ビジネス展開における予見可能性の低さ」が製造業、非製造業ともに最も多く、製造業では「FTA・TPP等の取り組みの遅れによる競争条件の悪化」、非製造業では「財政問題から派生する金利の上昇」を上げる経営者が多かった。

 調査は5月30日〜6月8日に実施し、経済同友会会員ら288人の経営者から回答を得た。

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