ドメネク前監督の続投や、W杯での不祥事のまずい管理などで、フランス代表の人気凋落を招いた責任の一端があるとされる同国のサッカー連盟(FFF)。ドメネク時代には、イメージ向上のキャンペーンに力を注いだが、それも実らなかった。

 ブラン新監督の就任で人気巻き返しを図るものの、スポンサーの撤退、視聴率の低下、観客動員数の減少など苦戦を強いられている。そんな中、代表に見切りをつけたわけではないにせよ、別の角度から新たな活路を見出そうとする動きが見える。来年ドイツで第6回W杯が開催される女子サッカーのプロモーションがそれだ。

 先週からはじまった新たなキャンペーンでは、フランスで人気の高いモデルのアドリアナ・カランブーさん(旧姓スクレナリコヴァ)を起用して、女子サッカーの知名度アップを狙っている。ル・モンド紙が報じた。

 「ワンダーブラ」の元モデル、世界一脚の長いモデル(ギネスブック認定)として知られるアドリアナさんは、その名でわかる通り、元フランス代表、98年W杯優勝メンバーのクリスチャン・カランブー氏の夫人。サッカーとの縁は深く、今年4月にFFFからフランス女子サッカーの“親善大使”に任命されている。

 一年前には、女子サッカーに対する世間の関心の薄さに業を煮やし、「必要なら脱いでもいいわ」とまで発言していた。ちなみに女子代表メンバーの4選手は、注目を集めるためにすでにヌードを披露して話題になったこともある。

 今回のテレビCMでは、ピンク色のロッカールームを背景に、アドリアナさんがストッキングをはくシーンなどはあるものの、セクシー度は抑えめ。それでも注目度は大幅にアップしそうだ。FFFでは、女子会員数を現在の6万5000人から2012年までに10万人に伸ばすことを目標としている。

 また、フランス女子代表のブリューノ・ビニ監督によると、モンペリエ、リヨン、パリ・サンジェルマンといったクラブが女子サッカーの発展に力を入れており、フランスで女子プロリーグ創設の動きもあるという。