28日にマルセイユからニューカッスルへの期限付き移籍(1年、完全移籍のオプションあり)が決まったフランス代表MF、ハテム・ベン・アルファ(23)が30日、レキップ紙に心境を語った。

 当初は移籍を容認していたマルセイユだが、エースのママドゥ・ニヤンの移籍(フェネルバフチェ)が決まると一転して残留を主張、これに「僕は穴埋めじゃない」と反発したベン・アルファが2週間にわたって練習をボイコットし移籍を訴えつづけた。

 「1年プレーできなくてもかまわない」と強硬策に打って出たベン・アルファは、「馬鹿なことをしたと思ったことは一瞬たりともない」と確信している。しかし1週間前にはベン・アルファの父親がル・パリジャン紙に、「悪い取り巻きがいる。彼の相談役がディディエ・デシャン(マルセイユ監督)の悪口を吹き込むなど、息子をほぼ“洗脳”した」と厳しい口調で語っていた。

 これについて本人は「自分ひとりで決めたこと。僕はもう子供じゃない。誰からも操作なんてされていない。僕が頑固なのはよく知っているだろう?」と噂される周囲の悪影響を否定した。

 とにあれ自分の要求が通ってひと安心のベン・アルファ。ブレーメンやリバプールからもオファーがあったと報じられるが、「最初からニューカッスルが僕の第一希望だった。とてもうれしい」と語る。

 ただしこれと引き換えに、ユーロ2012予選の最初の2試合では代表入りを逃した。ローラン・ブラン監督からは「自分から辞退したようなもの」と練習ボイコットを厳しく受け止められている。しかし本人は「自分の意志が固いのを示す必要があった。その結果についてはどんなことも受け入れる覚悟ができていた」と語り、10月の代表入りを目標に気持ちを切り替えている。

 関係が決裂したマルセイユに対しては、「移籍を認めるという約束を守ってくれて感謝している。会長とは事務所でもめたが、彼への敬意は変わらない」と話したうえ、新しいクラブでプレーするところを見に来てほしい、と“招待”すら提案した。

 国立クレールフォンテーヌ養成所にいた少年時代から、その並外れたテクニックで“天才”と注目を浴びつづけてきたベン・アルファ。その言葉からは、やはり相当な自信が感じられる。あとはリヨン、マルセイユで満足に残せなかった結果を、はじめての外国でいかに出せるかにかかる。彼が目標とする「2週間後のプレミアデビュー」に注目だ。