――役者さんもそうですが、スペイン映画というのは独特な雰囲気、魅力がありますよね。

AKANE LIV:色使いも本当に独特。「ボルベール<帰郷>」の時のペネロペの衣装もすごく印象に残っていて、赤の花柄のドレスが。

――AKANE LIVさんの今日のネイルも赤ですが、ファッションやメイクに“赤”を取り入れることは多いですか?

AKANE LIV:そうですね、革ジャンなどの黒い服を着る機会が多いので、アクセントとして。この間ネイリストさんも話していたのですけど、手の色を白く見せるのには、黒と赤が効果的なんですって。黒だとなかなか日常生活には向かないけど、赤は取り入れやすいので。真っ赤だと服によって浮いちゃったりするんですけど、今日のネイルのように少し黒を混ぜると、合う洋服の幅も広がりますね。

――「抱擁のかけら」はラブストーリーでありながら、レナの、女優という夢をあきらめられなかった1人の女性としての要素も含まれていると思います。AKANE LIVさんも、以前は宝塚でご活躍されていたわけですが、レナの女優にかける想いには共感できますか?

AKANE LIV:分かりますね。夢に向かって頑張っている時って、食事もいらないくらいその事に夢中ですよね。私が高校生の時、宝塚受験のスクールに通っていたのですが、レッスンが週6日あって、学校からスクールに通うのに2時間かかるんですよ。でも、何の苦も無く往復4時間かけて半年通っていました。だから、レナも愛人の虐待とか、辛い事が色々あったと思うんですけど、女優になりたいという気持ち、それを支えてくれるマテオの気持ちが勝っていたのだと思いますね。

――全体を通してドロドロとしたテーマを抱えていながら、レナのすごく自分に素直に真っ直ぐに生きている姿が素敵ですよね。

AKANE LIV:アルモドバル監督の面白いところって、題材が重くても、笑いを上手い具合に散りばめているので、本当に巧い!と唸りますね。

――普段はどのようなジャンルの映画をご覧になる事が多いですか?

AKANE LIV:映画は、ミニシアター系の作品を観ることが多いですね。「ベルヴィルランデブー」というアニメの作品がすごく好きです。三つ子のおばあちゃんが新聞紙や冷蔵庫や掃除機を使って音を出して、音楽を完成させていくという映像に凝ったアニメです。色々な人におすすめしていますが、音楽に精通している方にも評判が良いですよ。

――おすすめ上手なんですね。「抱擁のかけら」をお友達に勧める時にはどのような言葉を使いたいですか?

AKANE LIV:女性なら共感できる部分がいっぱいあると思うし、とりあえずペネロペ・クルスが本当に綺麗だと言う所を。髪型とかメイクもお手本になる部分もあるし。後は、この映画を見た後に好きな人とする、キスとか抱擁が今まで以上に神秘的に、大切に感じられるんじゃないかと思います。観た後はすぐに大切な人に会いたくなる、冬におすすめの映画です。

――どうもありがとうございました。

「抱擁のかけら」ストーリー

14年前に起きた凄惨な事故で視覚を同時に失った男(ルイス・オマール)事故の前、彼には2つの名前があった。映画監督時代に名乗っていた本名のマテオ・ブランコと、現在の執筆業のペンネームであるハリー・ケインだ。ハリーは、事故の後映画監督マテオである自分を捨て、人生をかけて愛した女性レナ(ペネロペ・クルス)のことも封印した。

或る夜、昔なじみで彼の世話人を勤めるジュディット(ブランカ・ポルティージョ)の息子が、事故に遭う。病室で彼の看病をすることになったハリーは、お伽話をするように自分の過去を語り始める…。それは、運命という名の嫉妬と欲望に翻弄された愛に狂った男女の切なくも激しい愛
の物語だった──。

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