社団法人日本能率協会(山口範雄会長)が実施した「2009年度(第31回)当面する企業経営課題に関する調査」の結果によると、5割以上の企業が次世代経営人材の育成ができていないと回答したことがわかった。

 次世代経営人材の育成状況をきいたところ、「あまり期待通りには育成できていない」(5.8%)、「ほとんど期待通りには育成できていない」(46.3%)を合わせて、5割以上の企業が次世代経営者の育成に課題を感じていることが明らかとなった。

 次世代経営人材の育成に向けた施策として、「研修実施後の困難な業務等への意図的な配属」については、「上手くできている」(0.4%)、「ある程度上手くできている」(10.9%)、「上手くできていない」(32.7%)、「ほとんどできていない」(15.2%)、「実施していない」(37.3%)となっており、次世代経営人材の候補者に対して、意図的に「修羅場」を経験させながら育成できている企業は少ないようだ。

 2009年の経営課題をきいたところ、「収益性向上」が60.8%で昨年度に続きトップ。次いで、「売り上げ・シェア拡大」をあげた企業が52.8%で、昨年度(38.1%)から急増した。昨年度は第2位(40.2%)の「人材強化」は第3位(33.9%)に後退したが、将来(2012年頃)の課題認識としては、第2位(40.1%)となっており、依然として「人材強化」が経営課題として重要視されている。

 同調査は、8月〜9月にかけて、全国の上場企業(2239社)と非上場企業(従業員300人以上、1761社)の4000社を対象に実施し、706社(有効回答率17.7%)から回答を得た。

グローバル展開の課題は「リーダー育成」と「ダイバーシティ」(2009-07-08)
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