大混戦の横浜市長選 「ハマのドン」が頼みの綱の山中氏vs雪辱誓う菅氏が猛プッシュの原沢氏vs度重なる騒動の立憲が推す中谷氏
市役所職員へのパワハラ問題で山中竹春前市長が辞職したことに伴う横浜市長選(10月4日告示、18日投開票)の構図がほぼ固まった。
「ハラスメント加害者だからこそできる対策がある」と訴え、出直し選挙戦に臨む山中氏のほか、自民・維新・国民・公明が推す弁護士の原沢敦美氏、立憲が支援する前衆院議員の中谷一馬氏、参政が推薦する会社経営者の福山敦士氏、共産党の県委員会副委員長である浅賀由香氏、市民団体代表の藤川祥子氏が立候補を表明している(政党の支援等は地方組織レベルのものも含む)。
「組織力や知名度などを勘案すると、『前職の山中氏vs自民などが推す原沢氏vs立憲が推す中谷氏』が中心の混戦となりそうだ」(全国紙政治部記者)
横浜市長選へ「出直し」の山中前市長 発言の「矛盾」にネット炎上
パワハラによる辞職を経た出直し首長選といえば、思い出されるのが兵庫県知事選での斎藤元彦氏の勝利だ。斎藤氏はパワハラ問題で逆風を受け、当初は当選が難しいと見られていたが、1人で駅に立っておわびを繰り返すなどして形勢を逆転。山中氏は、斎藤氏さながらに駅でおわびに立ち、これまで良好な関係を築いてきた地元経済界からの支援がほとんど見込めないなかでも勝利を目指す。
そんななかで山中氏の救いとなりそうなのが、横浜市の政財界に強い影響力を持つ「ハマのドン」こと藤木幸夫氏だ。
藤木氏は、2021年に山中氏が立憲の推薦のもと初出馬したときから「IR誘致反対」の考えで一致する山中氏を支援。今回も応援に回るとみられており、山中氏はこうした後ろ盾を味方につけながら戦うことになりそうだ。
菅義偉元首相、小泉進次郎防衛相が推す原沢氏は「負けられない戦い」
一方の自民。2021年の横浜市長選で藤木氏と対立した、横浜がおひざ元の菅義偉元首相が、神奈川県連会長である小泉進次郎防衛相らとともに原沢氏を徹底支援。菅氏にとっては、首相在任中だった2021年におひざ元の首長を野党系に奪われて以来、雪辱を果たすチャンスとなる。
「菅氏は体力が弱っているとはいえ、自身の思い入れのある地域の選挙では業界団体や企業などに自ら支援を訴えている。今回は、菅氏が関係の深い維新や公明も原沢氏につくことが決まった。2021年の横浜市長選ではIR誘致をめぐって意見が分かれ、自民が分裂して戦い共倒れした苦い経験もあり、今回は菅氏や小泉氏の今後の影響力維持のためにも、負けられない戦いだ」(同)
そして、山中氏の「生みの親」だったものの、たもとを分かった立憲側。前衆院議員の中谷一馬氏を支援するが、立憲関係者は「地元の神奈川県連では近年、マタハラの告発や、男性市議による女性市議のわいせつ疑いなどで離党が相次いだり、県議会の会派がハラスメント騒動の余波で分裂したりと、組織がボロボロの状態」と明かす。
そうした危機感もあるからか、中谷氏は今回、「2ちゃんねる」開設者として知名度も高いひろゆき氏との2連ポスターを発表したが、これにも立憲内部からは「物議をかもす発言が多いひろゆき氏とタッグを組むのはどうなのか。本来はハラスメント対策や、東京に比べ充実していない子育て対策などを訴えて十分戦える選挙なだけに残念だ。(来年)4月の統一地方選を前に、ますます立憲に期待してもらえなくなるのではと心配だ」との声が上がる。
投開票まで3週間もない超短期決戦。三者三様の戦いの行方は。
文/中村まほ 内外タイムス

