ヴェルテンベルク

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 「京都大賞典・G2」(10月4日、京都)

 わずか2センチ差。ぴったりと併せた鼻の先で明暗が分かれた天皇賞・春の2着馬ヴェルテンベルクが、英国遠征の帰国初戦からエンジン全開といく。10分を超える写真判定が行われるほどに、粘るクロワデュノールを最後方から強襲し、追い詰めた。開業23年目のベテラン・宮本師はG1・2着4回、3着5回と栄光までもう一歩が続く。「ここでいい成績を出して、またG1に行きたい」。悲願達成に向け、ここは取りこぼせない。

 執念の仕上げを施す。1週前は初コンビを組む古川吉を乗せ、栗東CWで6F78秒7-34秒9-11秒3を計時。6歳にして自己ベストをたたき出し、万全の態勢で最終調整を迎える。指揮官も「速いなと思った。ジョッキーには初めてだけどいい感触をつかんでもらったし、やっぱり長距離ランナーだね。スタミナがある」とうなずく。舞台となる京都は3角から下り坂が続き、ロングスパートになりやすい。得意の持久力勝負で、タイトルを勝ち取りにいく。

 精神力の強さが武器。最後まで力を振り絞れるスタミナは、強靱(きょうじん)なメンタルとの合わせ技だ。前走のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSでは最下位の9着に敗れたものの、トレーナーは「馬は精神的に変わっていないね。いいことだよ。動かしても進まなくて、ジョッキーがやめた形。走っていないからダメージもない」と、復帰戦に向けて心身ともに問題ない仕上がりだ。因縁の淀で輝きを増し、再び頂上決戦へ-。経験豊富な馬と人の物語がここから加速する。