「関節リウマチの症状」はご存知ですか?関節以外に現れる症状も解説!【医師監修】
関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。手指や手首の痛み、腫れ、朝のこわばりが代表的ですが、進行すると関節の変形や機能障害につながることがあります。
また、関節だけでなく、目や肺、皮膚などに症状が現れる場合もあります。関節リウマチにみられる症状の特徴や、進行に伴う変化、受診を考える目安について解説します。
監修医師:
副島 裕太郎(横浜市立大学附属市民総合医療センター リウマチ膠原病センター)
【資格】
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医・指導医
日本リウマチ学会 リウマチ専門医・指導医・評議員
日本リウマチ学会 登録ソノグラファー
日本リウマチ財団 登録医
日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)
日本臨床免疫学会 免疫療法認定医
日本化学療法学会 抗菌化学療法認定医
日本エイズ学会 認定医
日本温泉気候物理医学会 温泉療法医・温泉療法専門医
日本骨粗鬆症学会 認定医
日本母性内科学会 母性内科診療プロバイダー
身体障害者福祉法第15条指定医(肢体不自由、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害)
インフェクションコントロールドクター
博士(医学)
診療科目
一般内科、リウマチ・膠原病内科、アレルギー科、感染症科
関節リウマチの関節症状の特徴

関節リウマチの代表的な症状は何ですか?
関節リウマチの代表的な症状は、関節の痛み、腫れ、熱っぽさ、動かしにくさです。炎症によって関節を包む滑膜が厚くなり、関節液が増えることで、関節がやわらかく腫れたように感じられます。関節を動かしたときだけでなく、安静にしているときにも痛むことがあります。症状が強くなると、手を握る、ペットボトルのふたを開ける、ボタンを留める、階段を上り下りするといった日常動作が難しくなることもあります。
関節症状に加えて、疲れやすい、身体がだるい、微熱が続く、食欲が低下するといった全身症状が先に現れる場合もあります。痛みが軽くても、関節の腫れが続いているときは注意が必要です。
朝のこわばりの特徴を教えてください
朝のこわばりとは、起床時に手指や足趾などを動かしにくく感じる症状です。手を握りにくい、指が曲げづらい、立ち上がってすぐに歩きにくいといった症状として現れます。関節リウマチは、起床後にこわばりを感じやすくなります。身体を動かしているうちに徐々に軽くなることがありますが、炎症が強いと数時間続く場合もあります。
朝のこわばりは関節リウマチに特徴的な症状の一つですが、変形性関節症やほかの病気でも起こります。そのため、こわばりの有無や持続時間だけで診断することはできません。関節の腫れや痛み、症状が現れる部位、血液検査や画像検査などを含めて総合的に判断します。
症状はどの関節に現れやすいですか?
関節リウマチの症状は、手指の付け根にある第3関節や中央の第2関節、手首、足趾の付け根などに現れやすい傾向があります。肘、肩、膝、足首などの大きな関節に炎症が起こることもあります。一方、指先に近い第1関節に症状が現れることは多くなく、この部位を中心に痛みや変形がみられる場合は、変形性関節症など別の病気も考えます。ただし、症状の部位だけで病気を断定することはできません。
関節だけでなく、腱を包む腱鞘に炎症が起こり、指を動かしにくくなったり、手首や足首の周囲が腫れたりする場合もあります。首の関節に炎症や不安定性が生じることもあるため、首の痛みや手足のしびれがある場合は主治医への相談が必要です。
参照:『関節リウマチ(RA)』(日本リウマチ学会)
関節リウマチの症状は左右対称に出るのですか?
関節リウマチは、右手と左手、右足と左足など、左右の同じような関節に症状が現れることが多いとされています。しかし、すべての方に左右対称の症状が出るわけではありません。発症初期には、片側の手首や一つの指など、少数の関節だけに症状が現れる場合があります。時間の経過とともに、ほかの関節にも痛みや腫れが広がることもあります。
左右対称でなければ関節リウマチではないと判断するのは適切ではありません。片側だけであっても、関節の腫れが数週間続く、複数の関節に症状が増えてきた、朝のこわばりを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
関節リウマチの進行に伴う変化と関節以外の症状

関節リウマチが進行するとどのような変形が起こりますか?
関節の炎症が続くと、軟骨や骨が徐々に傷つき、関節の位置や動きに変化が生じます。手指では、指が小指側へ曲がる尺側偏位や、指の関節が特徴的な形に曲がるスワンネック変形、ボタン穴変形などがみられることがあります。親指が変形して物をつまみにくくなったり、手首の動きが制限されたりすることもあります。足趾に変形が生じると、靴に当たって痛む、たこができる、歩きにくくなるといった問題につながります。
ただし、現在は抗リウマチ薬を用いて早い段階から炎症を抑える治療が行われており、関節破壊や変形を予防できる可能性が高まっています。すでに生じた変形は薬だけではもとに戻りにくいため、変形が目立つ前に治療を開始することが重要です。
関節以外に現れる症状を教えてください
関節リウマチは全身に関係する病気であり、関節以外にも症状が現れることがあります。全身の炎症によって、だるさ、微熱、食欲低下、体重減少、貧血などがみられる場合があります。皮膚の下に硬いしこりができるリウマトイド結節や、目やお口の乾燥を伴うシェーグレン症候群(シェーグレン病)を合併することもあります。目では、上強膜炎や強膜炎などによって充血や痛みが生じる場合があります。
肺では、間質性肺疾患や胸膜炎などを合併し、空咳や息切れが現れることがあります。まれに血管炎や神経障害などが起こる場合もあります。急な見えにくさや強い眼痛、息苦しさ、長引く発熱などがある場合は、関節リウマチの合併症だけでなく、感染症や治療薬の副作用も考え、速やかに医療機関へ相談してください。
症状に波があることはありますか?
関節リウマチの症状には波があり、炎症が強くなる時期と落ち着く時期を繰り返すことがあります。症状が悪化する状態は再燃やフレアと呼ばれ、関節の痛みや腫れ、朝のこわばり、だるさなどが強くなります。再燃のきっかけが明確でないこともありますが、治療薬の中断、感染症、強い疲労やストレスなどをきっかけに症状が変化する場合があります。ただし、天候や食事などとの関係には個人差があります。
痛みが軽くなっても、関節内の炎症が完全に治まっているとは限りません。反対に、関節に残った変形や腱の障害によって、炎症が落ち着いていても痛みが続く場合があります。症状だけで薬を調整せず、診察や血液検査、必要に応じた画像検査を受けながら治療を続けることが大切です。
関節リウマチの症状に関するよくある質問

ほかの関節の病気と関節リウマチの症状の違いを教えてください
関節リウマチと間違われやすい病気の一つが変形性関節症です。変形性関節症は、加齢や関節への負担などを背景に軟骨がすり減る病気で、動かしたときに痛みやすく、指先に近い第1関節や膝などに症状が現れます。関節リウマチは、手指の付け根や第2関節、手首などがやわらかく腫れ、朝のこわばりや安静時の痛みを伴う傾向があります。ただし、両方の病気を合併することもあり、症状だけで区別できない場合があります。
痛風は、足の親指の付け根などに突然強い痛みと赤い腫れが現れることがあります。感染性関節炎でも、急激な痛み、発熱、関節の赤みや腫れが起こります。乾癬性関節炎や膠原病などでも似た症状がみられるため、自己判断せずに診察を受けることが重要です。
症状が軽ければ治療しなくてもよいですか?
症状が軽くても、関節の炎症が続いている場合は治療が必要です。関節リウマチは、痛みの強さと関節破壊の進み方が必ずしも一致しません。痛みが少なくても、画像検査で骨の変化が進んでいることがあります。関節破壊は発症後の早い段階から進む場合があるため、診断後は速やかに抗リウマチ薬による治療を開始することが重要です。痛み止めや湿布で症状が軽くなっても、病気の進行を十分に抑えられるとは限りません。
治療によって症状が落ち着いた場合も、自己判断で薬を減らしたり中止したりすると再燃する可能性があります。薬の副作用が心配な場合や妊娠を希望する場合も、自分で中断せず、主治医と相談して治療方法を調整しましょう。
どのような症状が出たら受診すべきですか?
手指や手首、足趾などの関節が腫れている、複数の関節に痛みやこわばりがある、朝のこわばりが繰り返される場合は、リウマチ科や膠原病内科などへの受診を検討します。特に、関節の腫れが数週間続く場合や、手足の小さな関節を含む複数の関節に症状がある場合は、早期の評価が重要です。専門科を受診できる医療機関が近くにない場合は、内科や整形外科へ相談し、必要に応じて専門医への紹介を受けてもよいでしょう。
一つの関節が急に赤く腫れ、激しく痛む、発熱を伴う、関節をほとんど動かせない場合は、感染性関節炎など緊急性の高い病気も考えられます。また、強い眼痛や視力低下、息苦しさ、手足のしびれや力の入りにくさがある場合も、速やかに医療機関を受診してください。
編集部まとめ

関節リウマチは、関節の痛みや腫れ、朝のこわばりが代表的な症状です。手指や手首、足趾などに現れやすく、左右対称になることが多いものの、発症初期には片側や少数の関節だけに症状が出ることもあります。
炎症が続くと、軟骨や骨が傷ついて関節の変形や機能障害につながります。また、目や肺、皮膚など、関節以外に症状が現れる場合もあります。
痛みが軽くても関節破壊が進む可能性があるため、症状の強さだけで判断してはいけません。関節の腫れや朝のこわばりが続く場合は、早めにリウマチ科や膠原病内科などへ相談しましょう。
参考文献
『関節リウマチ(RA)』(日本リウマチ学会)

