〈千葉・匝瑳〉海岸に17メートルの巨大クジラ…口元から赤い“何か”が膨張、現場で見た「触ろうとする人も」

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千葉県匝瑳市の海岸に打ち上げられた、ナガスクジラとみられる巨大なクジラ。腐敗が進んだとみられ、口元には赤い“膨らみ”も。現場を撮影した男性が、その様子を語った。

【画像】巨大なクジラの口元でふくらんだ謎の赤い物体

「内臓? 舌?」現場で目撃された異様な膨らみ

9月19日朝、千葉県匝瑳市の海岸に、体長約17メートルのクジラが打ち上がっているのが見つかった。

現場は匝瑳市の新堀浜。クジラはナガスクジラとみられ、発見された時点ですでに死んでいたとみられている。台風の接近などで海が荒れているため、市は撤去作業を見送り、周囲にロープを張って立ち入らないよう呼びかけている。

巨大なクジラが横たわる異様な光景。翌20日、近隣市から現場を訪れたSHUさんは、クジラの体にある“異変”にも気がついたという。

「撮影したのは9月20日の午前10時20分ごろです。クジラの口の周辺を見ると、内臓なのか舌なのかは分かりませんが、赤い部分がパンパンに膨らんでいるように見えました。かなり大きく膨張していたので、遠くからでも目につきました」

その前日にSHUさんが撮影した写真では、砂浜に横たわった巨大なクジラの口付近から、赤みを帯びた組織のようなものが大きくせり出している様子が確認できる。

一見すると何らかの大きな傷や腫れのようにも見えるが、死後の腐敗に伴って起きた可能性も考えられる。

鯨類を含む大型動物の死骸では、死後に組織の分解が進み、体内にガスがたまることで胴体などが膨張することがある。米海洋大気局(NOAA)の鯨類のストランディングに関する資料でも、腐敗が進んだ個体では膨張が目立ち、舌が口から突出したり、腸管がガスで膨らんだりする状態が示されている。

ただし、今回写真に写っている赤い部分が実際に舌なのか、別の組織なのかは、写真だけで断定することはできない。撮影したSHUさんも、あくまで現場で見た印象としてこう話す。

「死後の腐敗で発生したガスが関係しているのではないかと思いました。クジラのような巨大な動物では、腐敗が進むと体内にガスがたまり、胴体が膨らんだり、舌などの軟らかい組織が外へ押し出されて膨らんで見えたりすることがあるそうです。ただ、実際に何が膨らんでいたのかまでは、私には分かりません」

大型のクジラの死骸は、その大きさゆえに調査や移動も簡単ではない。

NOAAも、大型鯨類の死骸の解剖や処理には多くの人員や重機が必要になり、漂着場所へのアクセスや潮汐などによって作業が制限される場合があるとしている。

なぜ海岸へ? 巨大クジラ漂着の原因は分からず

今回も台風接近による悪天候のため、市はすぐには撤去作業を行わず、現場への立ち入りを制限する対応を取っている。

SHUさんが訪れた20日も天候は悪く、見物に訪れる人はそれほど多くなかったという。しかし、そのなかには規制のために設置されたロープを越える人もいた。

「悪天候だったので、見物人はそれほど多くありませんでした。ただ、ロープの内側に入って、クジラに触ろうとしている方もいました。私はロープには近づかず、十分に距離を取った場所から望遠で撮影しました」

腐敗した大型動物の死骸には不用意に近づくべきではない。NOAAも、打ち上げられた海洋哺乳類を見つけた際には、安全かつ適切な距離を保つよう呼びかけている。

現場では行政側もロープを設置し、立ち入らないよう注意を促している。珍しい光景だけに近くで見たり、写真を撮ったりしたくなる気持ちはあっても、規制区域には入らず、死骸にも触れないことが重要だ。

では、この巨大なクジラはなぜ新堀浜に打ち上げられたのか。

現時点では、原因は明らかになっていない。

今回、市が撤去作業を見合わせている背景には台風などによる悪天候があるが、「台風によってクジラが打ち上げられた」と確認されているわけではない。

クジラなどが海岸に漂着する現象は「ストランディング」と呼ばれる。国際捕鯨委員会(IWC)によると、漂着した個体については可能な場合に死後の調査が行われ、死因や漂着に至った背景を調べる。しかし、死骸の腐敗が進めば、原因の特定が難しくなるケースもある。

約17メートルもの巨体が突然現れた新堀浜。

台風が過ぎたあと、このクジラがどのように調査、撤去されるのか。そして、なぜこの海岸にたどり着いたのか。今後の対応と調査が注目される。

取材・文/集英社オンライン編集部