55歳夫婦、毎月「10万円」の余裕資金を老後に回す予定。夫はiDeCo、私は「途中で売れるNISA」を希望していますが、今から始めるならどちらが向いてますか?

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55歳になると、定年退職や年金生活が少しずつ現実的になってきます。「老後に向けて資産形成を始めたいものの、NISAiDeCoのどちらがよいのだろう」と迷う人もいるでしょう。   例えば、夫婦で毎月10万円の余裕資金がある場合、節税を重視してiDeCoを選ぶ方法もあれば、必要なときに売却できるNISAを選ぶ方法もあります。   55歳から始めるなら、単純に「どちらがお得か」ではなく、お金を使う時期を考えて選ぶことが大切です。この記事ではそれぞれの違いや使い分け方を見ていきます。

55歳からなら「使う可能性のあるお金」はNISA、「老後まで使わないお金」はiDeCo

55歳から資産形成を始める場合、まず確認したいのがお金を引き出せる時期です。
NISAでは、投資信託や株式などを必要なタイミングで売却できます。例えば、60歳になる前に自宅の修繕や車の買い替えなどでまとまったお金が必要になった場合、NISAの商品を売却して資金に充てることが可能です。
一方、iDeCoは老後の資産形成を目的とした制度で、原則として60歳まで資産を引き出せません。また、60歳から受け取るには、原則として10年以上の通算加入者等期間が必要です。55歳から初めて加入する場合などは、60歳になってもすぐに受け取れない可能性があります。
そのため、「途中で使う可能性のあるお金」はNISA、「老後まで使わないお金」はiDeCoと考えると選びやすくなります。

NISAは必要なときに売却でき、iDeCoは所得控除で税負担を抑えられる

NISAiDeCoには、それぞれ異なる税制上のメリットがあります。
NISAでは、対象商品から得た売却益や配当・分配金が非課税です。年間投資枠は、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を合わせて最大360万円です。非課税で保有できる総額は1人1800万円となっています。
一方、iDeCoでは掛金が全額所得控除の対象となります。所得控除とは、税金を計算する際に所得から一定額を差し引ける仕組みです。そのため、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。運用益も非課税となるほか、受取時にも一定の税制上の優遇があります。
なお、2026年12月からiDeCoの制度改正が予定されています。会社員などの第2号被保険者は、企業年金と共通の拠出限度額が月6万2000円に引き上げられます。実際の上限額は勤務先の企業年金などによって異なるため、加入前に確認しておきましょう。

毎月10万円ならNISAiDeCoを夫婦で併用する方法もある

夫婦で毎月10万円を老後資金に回せるとしても、全額をNISAまたはiDeCoのどちらかに入れる必要はありません。
例えば、夫がiDeCoを利用して節税メリットを得ながら、残りを妻のNISAで積み立てる方法があります。iDeCoで老後まで使わない資金を準備しつつ、NISAには必要なときに現金化できる資産を持つイメージです。
ただし、NISAiDeCo投資信託などを運用すると、元本割れする可能性があります。数年以内に使う予定のお金まで投資すると、必要になったときに値下がりしているかもしれません。
そのため、生活費や近い将来に必要になるお金は預貯金などで確保したうえで、当面使う予定のない余裕資金を運用に回すことが大切です。

55歳からの老後資金づくりは「NISAiDeCoか」ではなく目的に合わせて使い分けよう

55歳からでも、NISAiDeCoを活用して老後資金を準備できます。途中でお金が必要になる可能性を重視するなら、好きなタイミングで売却できるNISAが使いやすいでしょう。
一方、老後まで使わない資金があり、所得控除による節税効果を得られる人ならiDeCoも選択肢になります。毎月10万円の余裕資金があるなら、「どちらか一方」と考える必要はありません。
まずは生活資金や今後予定している大きな支出を確認し、「必要になれば使いたいお金」と「老後まで使わないお金」に分けてみましょう。そのうえでNISAiDeCoを使い分ければ、資金の使いやすさと税制上のメリットの両方を意識した老後準備を進められます。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに? iDeCo(イデコ)の特徴
厚生労働省 iDeCo拠出限度額の引き上げ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー