「日本語を使うのは下級市民」?木更津「女児診察拒否」で在日中国人のSNS発言が炎上…別の外国人たちの反応は
ポストの炎上
「娘が39度の熱を出しているのに、この病院に診察拒否された。娘は日本国籍だが英語しかできない。私は日本語ができない。医療通訳が要るということで、東京にいる長男が電話で通訳できると説明したが、医療通訳がここに来なければ診察はできないと言われた」「私はコロナの前もここで受診したことがあるのに、なぜ今になって拒否されたのか。アメリカでなら英語ができないという理由で拒否されるなんてありえない!」
ある在日中国人の女性がクリニック(診療所)の写真付きで怒りの投稿をしたのは、2026年8月22日のことだった。
さらに、女性は一連の投稿で、「娘は日本生まれの5歳であり、日本の国民保険に加入している」と表明した。
そのポストは2000万以上のインプレッションを得て、大炎上し続けて約5日後に女性が自ら削除したが、削除されるまで、在日中国人と日本人や、海外在住の中国人から大量に引用され、大きな話題を呼んだ。削除されてからもスクリーンショットが引用された形でさらに議論が続いた。
まず、女性が晒した「病院の写真」は木更津市にある内科・外科・小児科クリニックであり、病院(病床数20以上で手術など高度な医療が可能な施設)とは明らかに違うことをX民に指摘され、
「そこから車で少し走ったら外国語対応可能な病院があるのに、あえて医者一人しかいないような個人経営のクリニックに中国語の対応を求めることは非常識だ」「電話で息子さんが通訳できると主張しているが、息子さんの年齢や語学力などから医療通訳の質が担保されない場合、医者として診察を断ってもやむを得ない。」との指摘があった。
さらに、「以前そのクリニックで診てもらったことがあるのに、今回は診てもらえなかったということは、言葉の問題以外に、ほかの問題があったのでは」と矛盾点をつくリプライが目立った。
「日本語を使う下級市民」と罵倒
女性は論戦において日本語不要論を展開していた。
「主人一家はアメリカ在住の日本人だ。日本語は海外では役に立たない。うちは子供には日本語を教える必要がないと判断した」
「私は住民で、訪日客じゃない。あなたたち日本人と同じで、My member car(筆者注、マイナンバーカードの英語名を間違えたと思われる言葉)だって持っているのよ!」
「私は英語を使うから上級市民だ。中国人が日本で日本語を覚えても下級市民扱いだ」
「うちは東京の高級住宅地に住んでいるのよ。金持ちの子供たちは日本語よりも英語を使うこと、お前ら底辺にはわからないのか」
「日本語ができないと刑罰を科される?」
「私は今後第二外国語としてフランス語を勉強するつもりだ」
「現地の言葉ができないという理由で診察拒否なんて、中国でもあり得ない!」
女性の日本語不要論がさらに論議を呼び、多くの在日中国人から次のような強い反発を受けるようになった。
海外在住中国人から非難の嵐
「晒されたクリニックの写真に、ガラスドアに反射して女性と女児が映っている。39度の女児はノーマスクだった」と指摘した人がいた。
また、「マイナンバーカードのことをMy member carと書く人って大層英語達人なわけね」と皮肉るリプライもあった。
「イスラエル在住だが、日本に一年間ほど住んだことがある。日本語は話せないけど、医療機関に拒否されたことがなく、世界最高レベルの医療を経験した」など、女性と正反対の体験を語る投稿が多かった。
ニューヨーク在住のある中国人は、「この女性は中国では中国語ができなくても拒否されないと言っているが、しかし僕が住んでいた上海では、外国人が外国語で受診できるのは一部の大病院に限られており、クリニックどころか、一般の病院も対応できないよ」と指摘した。
別のアメリカ在住の中国人は、「アメリカなら、39度は帰って自宅で様子を見るように言われるね」と反論した。
日本在住のある中国人は、「日本に来たばかりの時、近くの総合病院はヤフーの口コミが2.6だったので行くのを少し迷っていたが、近いので実際行ってみたら、病院のサービスの良さに大変驚いた。私的には少なくとも4は絶対につけたかった。それで分かったのは、日本人の採点は大変厳しいということ」と日本の病院の対応を全面的に評価した。
さらに、「ご主人さんが日本人で、お嬢さんが日本生まれ日本育ちの5歳。この女性は日本に5年以上住んでいるのに、日本語を覚えるどころか、とことん馬鹿にしている。それでも日本に住み続けているのが謎すぎる」と女性のスタンスを厳しく批判した。
「子供の医療費は2割自費とこの女性が言っているけど、千葉県なら償還払いを受けて実質的に無料ということを、この女性は知らないようだ。複数のお子さんの母親とは思えないほど日本に無知だ」
「自らの不勉強を正当化するために、懸命に日本語を学び、日本語を話す在日中国人のことを奴隷やら下級市民やらと馬鹿にしていることはあまりにも幼稚だ。日本語を話すことイコール英語ができないというわけではない」
「この女性のポストに、韓国人のアカウントなどが反応して、まるで日本の医療が外国人を差別しているかのように言いふらしている。憤りを感じる」などの意見があった。
普段Xで穏やかに発信している在日中国人を含めて、多くの在日中国人はこの女性に対して厳しく批判した。
中国人が日本に対してもつ不満は主に歴史問題、最近はビザの厳格化で一部から起きているが、しかし、日本の医療に対しては、不満どころか、医療を受ける目的で日本移住した中国人も少なくない。女性の過度な騒がせぶりが多くの同胞を敵に回してしまったようだ。
医療関係者からは警戒の声
この騒ぎの一番大きな影響は、おそらく、日本の医療関係者の心配と警戒を刺激したところにあるだろう。
ある医療関係者は、日本の医療においては、医師患者間の意思疎通不良があり損害が発生した場合、全責任は医師が負うことになっていることを指摘し、
「意思疎通が困難であると予想される患者は診察しないのが医療側の正解になっています。個人クリニックであれば尚更です。 今後は公的医療機関への受診、もしくは日本語での意思疎通が可能な通訳者を自身で準備してからの受診をお勧めします」と率直に意見を表明した。
別の医療関係者は、「クリニックが頑張って応じても、結果が悪かったら『納得してなかった』『説明を受けていない』で訴えられちゃうからね」と危惧し、「説明にコストかかる相手は断る流れは加速するんじゃないかな。 司法が始めた物語だからしょうがないね」と、このような事件が医療関係者を委縮させると指摘した。
女性が病院をネットで晒す行為について、「普通に考えたら拒否しますよね。医院側のリスクと手間がすごいですし、そもそもこんなふうに晒してる時点でもこっち側としては要注意患者なわけで」と批判する歯科医もいた。
さらに、女性の言動にあきれた別の医療関係者が、「日本はとてもひどい国です。こんな酷い国にはいない方がいいと思います。あなたがより良い国でもっと幸せに暮らせることを心より願っています」と皮肉をこめて突き放した。
常軌を逸した女性の逆ギレ
日本の医療関係者などの反応に憤慨した女性は、8月25日未明に、中国語で反撃のポストを投稿した。和訳すると以下の通りだ。
「コメント欄を見てみれば、日本人がどれほど中国人を憎んでいるかが分かる! このような憎しみは、単に中国側からの日本への憎しみが原因だろうか。私は主に以下の要因が大きいと考える。中日の歴史問題が長期間、本当に解決されていないこと、……日本の政治家や右翼勢力による『中国脅威』の絶え間ない誇張、……中日民間での本当の深い交流と相互理解の欠如、日本での一部の中国人のネガティブな事件が、全体の中国人に対するステレオタイプを拡大していること、経済、観光、不動産などの現実的な利益衝突が、一般人の不満を増大させること、ソーシャルメディアのアルゴリズムが、極端な発言をより集めやすく拡散しやすくしていること、国家間の矛盾が、一部の人々によって普通の中国人への憎悪になった」
女性が展開した反論は、事案からかけ離れ、「国家間の問題が個人への憎悪に」というストーリーを作り上げようとしている。女性は、ご自分の今回の言動自体が、中国人のイメージダウンにつながることに自覚が全くないようだ。
根深い「日本語不要論」の奥底にあるもの
なぜこの女性のように、日本に何年も住んでいるのに、日本語を学ぼうとしない中国人が最近では少なくないのか。
ひと昔の留学生が学校を卒業し就活を経て日本で社会人になるというプロセスは、近年、日本に移住してきた中国人の多くは経ていない。
特にコロナ前から拡大した「経営・管理ビザ」で来日した中国人のなかには、日本語が全くできない状態で来日し、その後も日本語に時間とエネルギーをかけようとしない人もいる。日本語ができなくても、中国人社会だけを生きる人間にとっては、苦労して日本語を覚えなくてもいいのだ。
ただ、この女性の場合は、少し状況が違う。本来、日本人と結婚して、日本で子育てしているなら、日本社会にかかわらざるを得ない場面が多々あると思われる。それでも頑なに日本語を拒否しているのは、日本と日本語を見下している心理があると考えられる。
日本語ができるようになると、日本のルールも当然知っていると思われるから、ルールにも束縛される。「ニホンゴガワカラナイ」と言えば、面倒くさい日本のルールの適用を簡単に免れうると経験上彼らは知っているからだ。
少し前に、アメリカ在住の中国系の男が日本の道路で速度超過の取り締まりを受ける際、とにかく英語でまくし立てていたら、警察官も「仕方がない」と切符を切ることなく見逃したことの一部始終を、男が動画投稿した。
このように、「英語を喋れば一目置かれて、日本人は劣勢に転じるから、交渉に有利」という認識の投稿は、中国のSNSでかなり出回っている。
外国人との「共生」を拡大するならば、今後、居住者外国人にどの程度の日本語を求めるかが問われる。また、日本の学校で外国人の子女に行われているような、語学教育のコストの負担方法も、大きな課題になるだろう。
【あわせて読む】中国経済を楽観視するのはたったの1パーセントだけ…日系企業1427社が明かした中国ビジネスの実態
