3試合連続でベンチスタートとなった久保。(C)Getty Images

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 ホキン・アペリバイ会長も、エリック・ブレトスSD(スポーツディレクター)も、ペッレグリーノ・マタラッツォ監督もチームメイトも「状態が良くない」と認めている。それでも周囲は、期待の言葉を口にする。「本来の姿に戻らなければならない」と。前を向き、仕掛け、守備網を切り裂く。誰もが手詰まりと見る局面で、独創的な解決策を生み出すタケ・クボ(久保建英)の姿が再び現れることを願っている。

 ピッチ上でもその信頼は揺らいでいない。投入されれば、味方は彼を探して何度もボールを預ける。ワンタッチや鋭い突破ひとつで試合の流れを変えることができる選手だと信じているからだ。

 だが、そこにこそ問題がある。今のタケはボールを受けても前へ仕掛けられない。今シーズンの低調なスタートで先発を外れ、途中出場でアピールすべき限られた時間帯において透けて見えるのは、技術不足ではなく自信の欠如だ。

 以前はボールを持てば、迷わず前へ突き進んでいた。だが今は迷い、足を止め、後退する。ミスへの恐怖に囚われているかのようだ。コースが空いていれば突進するが、困難に直面すればブレーキを踏む。相手DFが待ち構えれば引き、局面が難しくなればパスを探してしまう。自らの力でチャンスをこじ開ける確信を失っている。

彼の最大の武器は、直感とリスクを恐れない大胆さにあった。これまでのタケは道が開けているからではなく、道が閉ざされているように見えるからこそ仕掛けていた。

 今は逆だ。困難を前に「挑まない方が賢明だ」と思い込んでいるように映る。ドリブルの威力が失われたわけではないが、かつてのような確信を持てず、迷いの中で本来の輝きを見失っている。

 味方がパスを預け続けるのは、タケが何者であるかを知っているからだ。サイドでボールを受け、目の前のDFを「仕掛けるための招待状」と捉えるアタッカーの帰還を待っている。
 
 しかし現在のタケは、障害物を前に立ち止まる。いま必要なのはポジションを取り戻すことではない。仕掛ける自信を取り戻すことだ。求められているのは、道がない局面で、自ら道を作り出せると信じ切るタケだ。

 セルタ戦で無人のゴール前で決定機を逃したことが本質ではない。誰にでも起こり得るミスに過ぎない。問題は、自分がなぜ特別で、いかにして欧州トップクラスのウイングへと駆け上がったのかを忘れかけている点だ。相手をなぎ倒していた頃の感覚を取り戻したとき、かつての姿へ近づくはずだ。