Aさんの父親・辰己勝被告と、監禁場所となった横浜市の住宅

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「有が何かをやるんじゃない。神様がやるんです。有が媒介になるということです。イタコみたいなものです。神界の霊媒者なんですよ」──"神の取次者"を名乗る男の親族は、記者の目を見据えてこう話した。

【写真】「裸で”逆モヒカン”に…」Aさんが監禁されていた”恐怖の館”

 今年5月に10代の男性(以下、Aさん)を監禁し、下着姿のまま無理やり頭髪を"逆モヒカン"にしたなどの罪に問われているコンサルティング会社社員の村上有被告(46)。有被告は「悩みを話すと霊が回答する」などとうたい、"コンサル料"を得ていた人物だった。

 事件に関わったとして起訴されているのは、有被告の兄夫婦と、彼の能力に傾倒していたという辰己勝被告(46)とその家族。辰己家を心酔させた男の霊能力とは果たして──。【前後編の後編。前編から読む】

 村上家3名の初公判の冒頭陳述などによると、有被告と辰己家は10年以上前に知り合った。辰己夫妻が長女の養育に困っていた時期に、夫妻は有被告に相談。有被告のいう"神の指示"に従っていたところ、娘の生活態度などが改善し、次第に"霊能力"に傾倒していったとみられる。

「Aさんの父親である辰己勝被告は昨年、『素行が悪い』などの理由からAさんを有被告のもとに預け、Aさんは有被告が働く飲食店に住み込みで働いていた。有被告のもとで暮らすことに抵抗を覚えたAさんは同年12月に逃げ出したそうです。

 その後は奈良県内の知人宅を転々としていたが、自身の家族に居場所を突き止められてしまい、監禁状態で有被告のもとに連れ戻された」(キー局社会部記者)

 Aさんが連れていかれたのは、有被告とその母親が住む神奈川県横浜市の自宅。近隣に聞き込みをすると、「宗教をやっている家」(近隣住民)として認知されていた。有被告の親族は、男の生育環境についてこう話す。

「有は子どもの時から病気がちだったんです。母親が困り果てて、悩んでいた頃に"チカラ"を持つ気学をやっている人がいて。その方から"あなた方もそういう(チカラを持つ)一族だ"と言われてから信仰するようになった」

 この親族も有被告のいうところの"チカラ"を信じているようで、彼の信仰についてさらにこう続けた。

有被告の"霊能力"の正体

「要するに人じゃないんですよ、神って。エネルギーだから。それが"動く"ってことがあるんです。それを占うと、『こうするべきだ』という"証"が必ず出るんです。

 有が何かをやるんじゃない。神様がやるんです。有が媒介になるということです。イタコみたいなものです。神界の霊媒者なんですよ」

 すでに報じたように辰己家はかつて、長女を有被告らのもとに預けている時期があった。初公判では「有被告に従ったところ、長女が更生した」とも明かされたが、当時の様子はどうだったのか。

「その女の子は霊感がある子だった。人の想念を感じちゃうらしいの。そうするとマイナスのエネルギーしか受け取らないんですよ。それを清めると違ってくるんです。

 もともと素行が悪い子だったけど、"清めたら"2か月くらいで治ったらしいです。それで弟(Aさん)も有のところに預けたら治るのではないか、となって横浜に来た」

 起訴状によれば、有被告は覚醒剤取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反の罪にも問われている。逮捕直前、被告は様子がおかしいときがあったそうだ。

「有はもともと母親と同居していたのですが、事件の数ヶ月前に新居に引っ越してから様子が変だったみたい。突然、カッとなって暴れたり茶碗を割ったりすることがあったから、母親もおかしいと思っていたそうです。薬に関する罪は、自ら警察に話したそうですよ。

 有は20歳ごろまで大人しい子でしたが、ある人にサウナで出会ってから仲良くなり、新宿に通うようになった。母親曰く、『悪い友達に引っかかったんじゃないか』という話です」

 容疑については全面的に認めているという有容疑者。公判の行く末が注目される。

(了。前編から読む)

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