発生確率「1%未満」でも巨大地震は起きた…大都市福岡の真下に眠る「割れ残り」活断層の恐怖

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専門家が警告する全国の3つの活断層

平成28年熊本地震令和6年能登半島地震令和8年熊本地震と、近年「活断層」による地震の発生および甚大な被害が続発している。当連載記事でも、それらの地震のリスクや被害実態、また「猛暑の地震」の警鐘について触れてきた。

都市直下の地震では、建物倒壊という被害に加えて火災の発生によって死傷、また自宅を失うことが最も危惧される。それらから運良く逃れられたとしても、停電でエアコンが止まり、断水によって水も飲めない過酷な環境が、もうひとつの致命的な死因である「災害関連死」となって人々を襲う可能性がある。

活断層による地震は、決して能登や熊本だけの特殊な事例ではない。それどころか、都市直下や市街地近郊に活断層が密集する日本列島において、これらの被害が、明日あなたの住む街で起きてもおかしくないのだ。

全国の被災地を調査し、日頃からX(旧Twitter:@jibansaigai)でも災害リスクの啓発を行っている私のもとには、「自分の住む街は大丈夫か」という切実な声が多数寄せられている。その中でも、近年では活断層に関する相談、質問も多い現状にある。

政府の地震調査研究推進本部は、活断層の今後30年以内の地震発生確率を評価し、確率が3%以上のものを「Sランク(高い)」としている。南海トラフ地震の今後30年以内の発生確率は60~90%程度以上とされていることから、単純に数字だけを比較するとずいぶん小さく、無視してもいいような程度にも見えてしまうだろう。

しかし、「たった3%か」と侮ってはいけない。1995年の阪神・淡路大震災を引き起こした断層群の確率は現在の手法で計算すると0.02%~8%となるほか、平成28年熊本地震を引き起こした布田川断層帯は1%未満(ほぼ0~0.9%)であった。

90-150年程度という「短い」間隔で繰り返す南海トラフ地震に比べて、発生する間隔が数百年~数千年と「長い」活断層では、地震が起きる確率は低いが、万一起きた時には非常に大きな被害をもたらしてしまうのだ。特に「Sランク」の活断層は、いつ活動してもおかしくないと言っても過言ではないともいえる。

今回は、全国の「Sランク」の活断層の中でも、とくに私が発生した際の影響や被害を含めて警戒している、都市近郊の3つの活断層をピックアップして解説したい。

1.「割れ残り」が大都市福岡の真下で牙を剥く「警固断層帯」

九州最大の繁華街であり、大都市の福岡市から大野城市、太宰府市、筑紫野市の福岡平野を北西から南東に貫いているのが、Sランク活断層である「警固(けご)断層帯南東部(陸域)」だ。

福岡県では、2005年の福岡県西方沖地震(M7.0)で福岡市でも被害が生じた。しかし、あの時動いたのは海域の断層で、福岡市中心部から筑紫野市に至る陸域の部分は未だ動いていない『割れ残り』となっているSランク活断層だ。

もし、割れ残ったこの活断層が動けば、M7.2程度の地震が想定されている。大都市福岡の都市直下で活断層が動けば、福岡県西方沖地震の比ではない甚大な被害が出ることが懸念されている。

今回の令和8年熊本地震も、10年前の熊本地震の「割れ残り(日奈久断層帯の一部)」が動いたことで発生した。断層の一部が動いたことで、動いていない隣接部分に歪み(ストレス)が集中し、次の地震の引き金になることは地質学的に十分あり得るのだ。

恐ろしいのは、警固断層帯が活動した際には断層近傍の地表面で、2m程度の左横ずれが生じる可能性があるとされていることだ。警固断層帯は九州新幹線、福岡都市高速、九州自動車道ほか、多くの幹線道路を含む地上・地下インフラを横切っており、あるいは並走している。令和8年熊本地震では活断層の活動による高速道路橋などの被害が生じていたが、最大2mの横ずれがあればさらに大きな被害も懸念される。

真夏の昼間、通勤客や買い物客でごった返す天神エリアでM7.2程度の直下型地震が発生すれば、ビルからのガラス落下や倒壊、地下街のパニック、そしてインフラの完全喪失が起きかねない。

【後編を読む】発生確率「最高18%」の危険な活断層…「日本の大動脈」分断と「トイレットペーパー消滅」の恐怖

<つづきを読む>発生確率「最高18%」の危険な活断層…「日本の大動脈」分断と「トイレットペーパー消滅」の恐怖