長野県阿智村の夏の天の川(倉田 亮一/stock.adobe.com)

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お笑い芸人の藤井隆さん、タレントの井上咲楽さんが司会を務める、ABCテレビテレビ朝日系「新婚さんいらっしゃい!」(毎週日曜、午後12時55分~)。9月20日放送回の舞台は、前回に引き続き長野県南部の阿智村です。

【写真】夫78歳、妻71歳…半世紀を経て奇跡の結婚をした新婚さん

“日本一の星空”を舞台に展開するミラクル恋物語

2006年に環境省から「星が最も輝いて見える場所」に認定された“日本一の星空”で知られる阿智村。今回は高原リゾート「ヘブンスそのはら」のイベントスペースで、出張収録を行いました。美しい星空のもと登場するのは、78歳の夫と71歳の妻です。

2人が出会ったのは今から50年前、場所は長野県安曇野のユースホステルでした。大学4年生だった妻が宿泊を1日延長したところ、その日は宿のオーナーの大学同窓会で貸し切り。それでも「あなた1人なら」と泊めてもらい、会食を手伝うことに。そこに参加していたのが夫でした。

安曇野のユースで出会い、山登りデートで意気投合

緑のサロペット姿の妻に「かわいい子だな」と一目惚れした夫。しかし女性と話すのが苦手で、なかなか声をかけられません。会食後、庭で2人きりになるチャンスをつかみ、ようやく会話できたものの、妻は「あんまり印象がなくて」と振り返ります。

あきらめきれない夫は、妻に交際を申し込む手紙を送ります。妻は軽い気持ちでOKしたといいますが、共通の趣味だった山登りのデートを重ねるうちに思いは本気に。交際半年後、夫は電話で「僕と結婚してください!」とプロポーズし、妻も承諾します。

式場も決まっていたのに…婚約3カ月で別れを決断

ところが婚約から3カ月後、妻は別れを決断します。当時、夫は田舎の長男、妻は一人っ子。お盆や正月には実家へ帰るのが当たり前だった時代背景もあり、互いの家を思うほど結婚は難しいと悩み抜いた末、夫が電話でプロポーズしたのと同じく、妻も電話で婚約を破棄しました。なんとそのとき、式場まで決まっていたといいます。

夫は内心では引き留めたかったものの、妻を困らせてはいけないと、あっさり身を引きました。2人はそのまま音信不通となり、それぞれ別の人生へ。夫は2度の結婚と2度の死別、妻は結婚と離婚を経験し、再会するころにはともに独身となっていました。

紆余曲折を経て独身になった2人をつないだのは…

47年ぶりの再会をつないだのは、ひとつのクリスタルで作られた入れ物でした。夫が27歳のとき、カナダ旅行中に見つけ、いつか結婚相手へ贈ろうと買った指輪の入れ物。妻との交際中に贈りましたが、婚約破棄後も返す機会はなく、「勝手に捨てるわけにはいかない」と妻は47年間、手元に置き続けていました。

60歳を過ぎて両親を亡くした妻は、これからの人生を一緒に歩ける相手がいたら、と考えるように。クリスタルを目にしたとき、かつて一緒に山を歩き、「信頼できる人」だった夫を思い出します。連絡先は知らず、結婚しているだろうとも思った妻でしたが、飯田市に戻っているはずだとネットで検索。森林組合の組合長を務める男性の写真を見つけ、「この人だ」と確信して職場へ電話をかけます。夫も最初は驚きましたが、変わらない声やイントネーションから、次第に47年前の妻だと気づいたといいます。

後ろ姿だけで気づいた夫…手を握られ恋に落ちた妻

電話で互いに独身だと分かり、さらに2人とも「あのときの別れ方」を謝りたいと思っていたことが判明。夫の東京出張をきっかけに、名古屋駅で47年ぶりに再会します。写真すら交換していなかったのに、夫は妻の後ろ姿だけで確信し、「こんにちは」。妻がクリスタルを返すと、夫は寒さで冷えたその手を長く握ります。妻は、そこで恋に落ちたと告白。藤井さんも不思議な縁をつないだ品を“クリスタルパワー”と呼び、「これ、もらえません?」と興味津々です。

「あなたを支えたい」妻の手紙に夫も結婚を決意

そして2人を結婚へ一気に近づけたのが、妻が夫へ送った手紙でした。初めて夫の家を訪ねた際、夫から前立腺にがんの疑いがあり検査を控えていると聞いた妻。「病気のこと、全く気になりません」「あなたを支えたい」「私たちの長かった空白のときを埋めたい」「いつか本当に夫婦になりたい」と、思いをしたためました。

手紙を受け取った夫は「すごく感激しました」と語り、結婚が現実のものに。その後、妻のサポートを受けながら体調も回復し、出会いから50年の時を経た2025年4月、2人は結婚。まさに半世紀越しの恋が実を結びました。

ケンカの後は星空眺めて…うまくいけば仲直りも

しかし新婚生活を尋ねると、妻から飛び出したのはまさかの「大バトルです」! 長い年月、それぞれが築いてきた生活のルールがぶつかることもあるそうです。ケンカをすると妻は自宅の駐車場に寝転んで、阿智村の美しい星空を見上げながら夫を待ち、迎えに来た夫と2人で星を眺め、うまくいけばその場で仲直り。まとまらなければ翌日に持ち越すのだとか。47年の空白を越えて結ばれた夫婦は、今も“日本一の星空”の下で新たな時間を重ねています。