「ヤニねこ」の喫煙描写を巡って反喫煙団体とクリエーターが対立、台湾で座談会

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2026年9月12日、台湾メディアの自由時報は、アニメ「ヤニねこ」の喫煙描写を巡り、反喫煙団体とクリエーターが対立していると報じた。

アニメ「ヤニねこ」は台湾の非営利民間公益団体の董氏基金会から喫煙シーンやたばこのブランド名が多数登場するシーンについて通報を受けて一時配信停止となったが、この措置はアニメ・漫画業界やクリエーターから反発を招いた。ファンは、同作が描いているのは喫煙者の退廃的で悲惨な生活であり、喫煙を勧める広告ではないと指摘しており、双方の立場は大きく異なっている。なお、同作は各代理店や動画配信プラットフォームがたばこに関する映像にモザイク処理を施した上で、すでに再配信されている。

この対立を受け、台北市のアニメ・漫画関連団体は12日、賛成・反対双方の関係者に加え、医療界や法曹界などの代表を招いて座談会を開催した。台北市動漫企画人員職業工会の劉佳豪理事長は各方面の意思疎通を促し、フィクション作品と広告の違い、主管機関や配信プラットフォーム、代理店などの責任範囲を明確にしたいと述べ、今後関連法の改正が行われる場合にはアニメ・漫画業界やクリエーターの声を無視してはならないと訴えた。

漫画家兼ゲームクリエーターの猫伊光氏は、創作は表現の自由から派生するものであり、あまりにも多くの規制が設けられれば、多様な声が実質的に一つの声へと集約されてしまうと指摘した。

一方、台湾のデジタルコンテンツ販売・創作プラットフォームのCxC創利市集の共同創設者兼CEOの陳宏睿氏はプラットフォームの観点から、原則として運営者が投稿内容を事前に審査することはないと説明。子どもや青少年、たばこ、健康に関する内容をすべて防ぐのは難しく、今後はこうした事項を利用規約に盛り込む方針だと伝えた。

董氏基金会たばこ被害防止センター主任の林清麗氏は、すべての人の創作および表現の自由を尊重しているとした上で、今回は保護者からの通報を受けて国民健康署へ通報したのであり、アニメの配信停止を直接要求したわけではないと釈明した。ただし、第1話だけでも実在するたばこのブランド名が13回登場していることに触れ、さらに世界68カ国がたばこ広告を規制しているとし、過去に「たばこの花束」の販売に10万台湾ドル(約49万円)の罰金が科された例や映画作品が規則違反の疑いで通報された例を紹介した。

また、台湾大学病院家庭医学部の主治医で台湾医療界たばこ被害防止連盟の事務局長を務める郭斐然氏は複数の論文を挙げ、メディアを通じてたばこに触れる機会が増えると、青少年の喫煙率が上昇する可能性があると指摘した。重要なのはアニメを見た人がどのように感じるかではなく、喫煙シーンが繰り返し登場することで「喫煙の正常化」につながる可能性がある点だという。

さらに、中央研究院法律学研究所の呉全峰研究員は、「たばこ被害防止法」は喫煙そのものを禁止しているのではなく、広告や販売促進を禁止する法律だと説明した。同作については、冒頭5分間にたばこのブランドが6回登場し、クローズアップや拡大表示などもあることから、客観的にはすでに商業的利益をもたらしていると主張。「ネガティブな宣伝」も販売促進に当たる可能性があり、たばこの売上増加につながる場合もあると言及した。

一方で、灼然法律事務所の張偉志弁護士は、芸術創作やパフォーマンスなどは、自己を表現し、実現するための手段であり、高度に保障されるべきだと述べた。たばこ広告に当たるかどうかは二つの側面から判断でき、一つはあらゆる形式の商業的な宣伝、もう一つはたばこの使用や購入を促す意図があるかどうかだという。その中でも重要なのは商業的な宣伝で、単に創作物の中にたばこが登場するだけであれば、商業性があるかどうかは検討する余地があるとした。張氏自身は創作作品内の喫煙描写と商業的宣伝との結びつきは比較的弱いと考えているという。(翻訳・編集/岩田)