一部生成AI使用で“手描き”まで疑われる事態に レベルファイブ、相次ぐ指摘に回答
一部で生成AIを使った結果、人が描いた部分まで「AIではないか」と疑われる。生成AI時代ならではともいえる事態が起きています。
レベルファイブは9月17日、「LEVEL5 VISION 2026 II」で発表した一部PVについて、生成AIの使用や人的ミスにより生じた問題を修正すると発表。一方で、その影響がAIを使っていない制作物にまで及んでいることを明らかにしました。
■ 一部映像では「安易なAI使用」
今回、同社が説明したのは、「LEVEL5 VISION 2026 II」で公開された一部PVや、「妖怪ウォッチ2 覇道」のイメージイラストについてです。
レベルファイブによると、一部の映像では「安易なAI使用」があったほか、AIの使い方の未熟さや人的作業のミスによって、制作物への不信感を招いたとして謝罪。
問題のあるPVについては、東京ゲームショウ(TGS)の開始に合わせて修正版を公開すると説明しています。
ところが、話は実際にAIを使った部分だけでは終わりませんでした。
AI使用をきっかけに、本来は人の手によるミスや表現の省略だった箇所まで、「これもAIではないか」と疑われる状況になっているといいます。
PVで指摘されている「ケータの顔が、ニンテンドーダイレクトとLEVEL5 VISION 2026 II発表時で違う」という点についても、AIによる変更や修正ではないと説明。
キャラクターモデルのクオリティが低かったため修正指示が出ていたものの、ニンテンドーダイレクト用映像の締め切りには間に合わず、その後のレベルファイブ発表会では「新バージョンの造形」になったとのことです。
■ 電線も自販機も「AIではない」
さらに、「妖怪ウォッチ2 覇道」のイメージイラストで、不自然に見える電線が生成AIによる描写ではないかと指摘されている点について、「弊社デザイナーの手描きによるもの」と説明。

実際の電柱や電線を参考にしつつ、背景として意図的に簡略化した結果、AIによるものと誤解される形になったとのこと。
自動販売機や雨樋についてもAIによる描写ではなく、ディテールを省略した際の人的ミスだったとしています。
また、自転車のブレーキレバーについては、過去作の「妖怪ウォッチ2」でも描かれていなかったものの、最新作ではディテールを強化する方針であることから、描き込むべきだったと説明。あわせて修正版を公開しました。
■ 今後はユーザー向け映像で直接使用せず
なお、「妖怪ウォッチ2 覇道」のゲーム内容については、「AIの直接使用は一切ありません」と明言。「レイトン教授と蒸気の新世界」についてもAIは使用していないと説明しています。
今後については、AIの利用を作業効率化の範囲にとどめ、ユーザーへ直接届ける映像ではAIの直接使用を避ける方針です。
ちなみにレベルファイブは、以前からAIを制作工程の補助として活用してきました。2023年の政府検討会に出席した日野晃博社長が、社内ではAIを柔軟に使いつつも、「現状は単純に、外に出すものは人間が作る」と説明していました。
AIを使ったことで、今度はAIを使っていない部分まで疑われることになった今回の一件。生成AIをどこで使い、どこから先を人の手で仕上げるのか、その線引きの難しさが改めて浮かび上がった形です。
<参考・引用>
「LEVEL5 VISION 2026 II」で発表された一部PVの修正と今後の生成AIに関する対応について
内閣府「AI時代の知的財産権検討会」第4回議事録

