300万円を失った過去を経て、資産を数千万円まで積み上げてきたのきした氏。損切りの重要性は誰よりも語るが、最初からうまく実行できていたわけではないという。損切りができなかった過去を変えた考え方から、決算シーズンの立ち回り、そして初心者へのメッセージまでを聞いた。全3回の最終回。


100万円が1万円になっても切れなかった男を変えた、頭の中のある工夫


 損切りが最重要と言い切るのきした氏だが、最初から迷いなく実行できていたわけではない。


 「最初はもう全然切れなかったんですよ。何ヶ月単位で持ってしまって。信用取引だと6ヶ月の期限があるんですけど、その期限ギリギリまで持ってしまって、100万円投資したのが1万円になったりとか、そんなこともありました」


 なかなか切れなかった理由を、本人はこう分析する。


 「株価を見た時に、円で換算してしまうじゃないですか。今1万円損してるっていう風に思うんですけど、これをただのポイントだと考えるようにしたんです。1万円じゃなくて1万ポイント損してますみたいな。私は給料をもらっている立場なので、給料1か月分損したとか、1日分の労働が無駄になったみたいに思ってしまうと切れなくなってしまうので、お金をお金として見ないようにしています」


 金額という感覚を意図的に切り離すことで、判断のスピードが変わったと明かす。



数ヶ月に一度しか巡ってこない、勝負をかける特別な瞬間


 決算シーズンの中でも、とりわけ好んで挑むのが「場中決算」だ。取引時間中に決算発表がある銘柄は、数か月に一度しか巡ってこない希少な機会だ。


 「場中決算の後って、見えないぐらい動くんです。見えない時はもうやらないんですけど、見えるようになってくるタイミングがあって。例えば1回下に振って上に行く時って、異常なぐらい買いが入ってくるんですよ。いわゆる機関投資家のだましとか、アルゴのだましみたいなものが入るので、1回下に振って上にあがるとか、上にあがって下に行くとか、そういう動きがあるんです」


 そのだましの動きが終わったタイミングを見極められた時に、初めて積極的に仕掛ける。


 「終わったタイミングが見えた時に、あ、こっちだなというのが分かれば積極的に行くようにしています。3ヶ月に1回ぐらいしかないからチャンスは少ないんですけど、銘柄も限られていますし、そこは積極的にやりますね」