《栃木・強盗殺人》「金塊を取り返しに行く1000万円の仕事」リクルーター高校生が法廷で明かした勧誘の手口…事件当日もダンス動画投稿、指示役とされるギャル妻と刺青夫の素顔【初公判】

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栃木県上三川町の住宅で今年5月、住人の富山英子さん(69)が殺害され、息子2人も重傷を負った強盗殺人事件。実行役として逮捕されたのは、いずれも当時16歳だった少年4人だった。

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9月15日、少年のひとりを実行役として紹介した罪に問われた18歳の男子高校生の初公判が宇都宮地裁で開かれた。法廷で語られたのは「1000万円の仕事」というSNSの投稿だった。集英社オンラインがこれまで報じてきた“指示役夫婦”の素顔とともに、事件を振り返る。

「1000万円の仕事がある」

事件が起きたのは5月14日朝。栃木県上三川町の住宅に4人組が押し入り、住人の富山英子さん(69)が殺害され、息子2人が負傷した。実行役として逮捕された4人はいずれも当時16歳。その後、少年らに指示を出したとして強盗殺人と強盗殺人未遂、住居侵入の罪などで逮捕・起訴されたのが、竹前海斗被告(29)と妻の美結被告(25)だ。

事件から約4カ月が経った9月15日、7人の被告のうち初めて法廷に立ったのは、実行役の少年1人を紹介したとして職業安定法違反の罪に問われた18歳の男子高校生だった。起訴状などによると、男子高校生は事件前日の5月13日、犯罪の実行役をさせることを知りながら、通信アプリ「テレグラム」でグループトークを作成して連絡を仲介し、友人を別の実行役に紹介したとされる。

「違いありません」

公判で男子高校生は起訴内容を認めた。きっかけはインスタグラムだったという。

「1000万円の仕事がある」実行役を集めていた少年のそんな投稿を見て連絡すると、「取られた金塊を取り返しに行く仕事」と説明された。

高校生自身は犯行には加わらなかった。その理由についてこう語った。

「学校があったのと、お金がもらえるのか分からないのに殴られに行くのが怖かった」

一方で、「無免許で事故を起こしてお金がほしい」「闇バイトを紹介してくれ」と頼んできた16歳の少年を紹介したという。

検察側は拘禁刑1年6月を求刑。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。

赤ちゃんを抱きながらK-POPダンス

では、16歳の少年らに指示を出したとして起訴された竹前夫妻とは、どんな人物だったのか。集英社オンラインは事件当時、夫妻の周辺を取材している。

美結被告は長野県出身。小学校時代の特技は「バレエ」、将来の夢は「薬ざい師」。中学では吹奏楽部に所属していた。

小中学校時代の同級生は当時の被告の様子を、こう振り返っている。

「中2ぐらいから美結の意地悪な素性がちょっと顕著になってきました。人との関わり方、特に同性に対して攻撃的というか陰湿に言葉でイジるようなところがあって、だから友達も少なかった記憶があります」

男子からからかわれると「テメエ」と言い返すこともあったという。

一方、別の同級生の母親は、

「美結ちゃんは小学校からクラシックバレエをやっていて、割と可愛いらしい子でしたよ」

と記憶していた。高校ではバトン部に所属していた。

その後、神奈川県内の大学へ進学。大学時代にはK-POP美容にのめり込み、SNSにはこんな投稿も残している。

〈整形したい〉

その約2カ月後には、

〈整形して良かったことは自分に自信がついたこと整形して後悔したことはひとつもない〉

とSNSにつづっていた。

結婚後、夫妻の間には長女が誕生した。事件当時は生後7カ月だった。

美結被告のSNSには、赤ちゃんを抱きながらK-POPに合わせて踊る動画も投稿されていた。
さらに出産前後からは、夫・海斗被告との関係についての投稿も目立つようになる。

〈あなたは私を傷つけた〉

夫の女性関係を疑い、不満を吐露する投稿もあった。

そして富山さんが襲われた5月14日にも、美結被告はSNSを更新しており、そこに投稿されていたのも、K-POPの楽曲に合わせて踊る動画だった。

「タレント事務所のオーディションに応募した」       

いっぽう、夫の海斗被告は横浜市出身だ。地元の中学校ではサッカー部に所属していたが、近隣住民は当時の被告の様子についてこう証言した。

「息子と同じ時期に中学に通った子の中で彼だけは覚えています。なにせヤンチャでしたから。細めの眉毛で茶髪、気に入らない奴とタイマンを張ったりボコボコにしたりするヤンキーでした」

また、同学年だった知人も、

「人を殴ってるのを結構見ました。一番印象に残っているのは気に食わない子がいたら、その教室に殴り込みみたいなことをしていたことです」

また、中学の卒業アルバムに写る海斗被告は現在とは印象が異なり、本人は周囲に「タレント事務所のオーディションに応募した」とも話していた。

前出の近隣住民によれば、

「女の子にはそこそこモテたそうで、夜にショッピングモールの前で、ギャルっぽいヤンキー風の女の子とたむろしていました」

と話す。中学卒業後は地元の工業高校へ進学したものの、ほどなく中退。仕事を転々とするも、羽振りはよかった。そんな海斗被告夫婦が飲んでいる姿を最近見たという地元の関係者は、事件直後こう証言した。

「カイト君は派手っちゃ派手。首やら腕に刺青を入れてました。時計とかバッグは高そうなブランドものを持ってて、その時は夫婦以外に2、3人で飲んでましたが、支払いはカイト君が一人でやってました。

ミユさんはギャルっていうか、いい言い方をすると天然みたいな感じです。酒を飲んで暴れるっていうのではないですけど、お酒をたしなむというよりは一気飲みして酔いを楽しむ感じで、テキーラを飲めと煽られて『じゃあ飲みますよ』とか飲んでました。

その時2人はベビーカーで産まれたばかりの赤ちゃんを連れてきてましたけど、飲み屋に赤ちゃん連れてくるっておかしくないですか? 2人ともタバコ吸ってて、タバコ吸ってる間は交互に赤ちゃんを抱っこし合ってました」

「誘っていなかったら、この事件が起きなかった」

事件後、海斗被告は羽田空港の国際線ターミナルで、海外へ出国する直前に逮捕された。一方、美結被告は生後7カ月の長女と神奈川県内のホテルにいたところを確保された。

当時、少年らが犯行に使用した白い高級外車が夫妻の自宅付近で目撃されていたことなどから、捜査線上に夫妻が浮上したという。

それから約4カ月、15日の法廷で、18歳の高校生は自らが竹前夫妻に紹介した少年についてこう語った。

「(私が少年を)誘っていなかったら、この事件が起きなかったと思う」

さらに裁判では、紹介した理由についてこう話した。

「自分が行かなければいいやと思ってしまった。紹介すればお金がもらえるかもしれないと思った。今回は本当に申し訳ございませんでした」

SNSに投稿された「1000万円の仕事」という言葉から始まった少年たちのつながり。実行役の少年らは、どの段階で強盗の実態を知ったのか。そして竹前夫妻から、何を指示されたのか。7人の被告のうち最初に始まった18歳高校生裁判に続き、今後は実行役や指示役とされる被告らも法廷に立つことになる。         

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班