“だまされて加害者に”海外へ特殊詐欺組織の拠点に連れて行かれた女性も…日本人が狙われるワケ【#きっかけ解説】
ニュースのその先を考えるきっかけ解説。16日は「特殊詐欺をさせられる側に?狙われる日本人」をテーマに、日本テレビ国際部の金玗年記者が解説します。
■去年の被害額は1423億円 特殊詐欺の推移

警察庁が発表した特殊詐欺の件数と被害額をあらわしたグラフです。近年、特に被害額が増加していて、去年の被害額は1423億円にのぼっています。
──歯止めがきかなくなっているように見えるのですが、食い止める方法はないのでしょうか?
特殊詐欺の被害を防ぐ上で、いま新たに問題になっていることがあります。それは「だまされて詐欺の加害者になってしまう人」が増えていることです。
■ある日本人女性が実際に応募…SNS上の求人の内容とは

これは、ある日本人女性が実際に応募した“短期間で稼げる”というSNS上の求人の内容です。「海外から書類をとってくる」「観光ができる」「空港に到着したら報酬がもらえる」というものです。
──これが本当だったらかなり良い条件に見えるのですが、そうではないということですね?
実際には、応募者をだまして特殊詐欺の拠点に連れて行くためのうその求人でした。
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女性は当初「カンボジアに書類を取りに行く」と聞かされていましたが、その後、目的地がベトナム、マレーシア、最終的にインドネシアと変更されました。そして、空港で会ったガイドに連れられ、インドネシアのスラバヤにある特殊詐欺組織の拠点に連れて行かれました。
そしてそこで、「かけ子」として詐欺をするよう言われたといいます。
──やはりうまい話はない、ということですね。
そうですね。さらに女性は、拠点で組織の指示役からこんなことを伝えられたといいます。
■特殊詐欺組織に連れ去られた女性 指示役から…

特殊詐欺組織に連れ去られた女性
「(あなたたちは)2万5000ドル(約400万円)で売られて来た。ここで仕事する方法以外道はない。地獄の世界へようこそ」
「怖すぎて、自分はどうなってしまうんだろう」
幸い、女性は詐欺をする前に救出されたということですが、このように、だまされて海外に連れて行かれ、詐欺をさせられる日本人が後を絶ちません。
■なぜ日本人が特殊詐欺組織の標的に?

──なぜ今、日本人が狙われているのでしょうか。
まず日本はお金を貯めているお年寄りが多く、警察など公的機関を名乗る相手を信用しやすいことなどから、警察官をかたる手法を使う海外の特殊詐欺組織の標的になっています。
そして日本人が詐欺の標的になるということは、言語の面などで都合がいいことから、「日本人をだますための日本人」も求められることになります。
■「紹介料300万円」うたい…人身売買働きかける投稿も

──詐欺の「かけ子」としても、日本人が狙われているということですね。
そうなんです。特殊詐欺組織が詐欺のかけ子などを確保するため、SNSで、人身売買を働きかけている投稿です。「紹介料300万円」などとうたい、犯罪グループから、かけ子などを買い取るということが起きています。
──300万円を払ってでも、かけ子が欲しいということなんですね。
この分野に詳しい龍谷大学の廣末登研究員によりますと、「日本人はよく働き、そして健康状態も良く、そのため高額で取引される」という関係者の話もあるということです。
特殊詐欺の被害が増え続ける背景には、こうした人身売買も関連していたのです。
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──最後に、このニュースで一番伝えたいことはなんでしょうか。
「特殊詐欺組織壊滅へ…国際連携を」です。
これまで見てきたように、特殊詐欺組織は海外を拠点にして活動しています。これに対抗するためには、日本だけでなく諸外国との連携も不可欠です。
国を超えた連携は課題も多く、難航する部分もありますが、日本の警察が現地の警察に情報提供を行うといった協力体制も築かれています。特殊詐欺の被害をなくすため、多国間での連携をおし進めていってほしいです。