みいちゃんと山田さん公式Xより

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講談社が運営する漫画アプリ「マガジンポケット」で2024年9月から連載されていた「みいちゃんと山田さん」は8月16日に最終話が公開され、約2年の連載が完結した。最終話の内容をめぐっては、読者から賛否両論の声が寄せられ、話題となった。

アニメ化決定で賛否両論「みいちゃんと山田さん」 過去の取材を通して見えた現実

前回に引き続き、ここでも簡単にあらすじを紹介する。物語の舞台は2012年、東京。キャバクラでアルバイトをしている女子大生の山田さんは、新人キャストとして入店してきたみいちゃんと出会う。2人は次第に心を通わせていき、お互いにとって大切な存在となっていく。

しかし、けんかやすれ違いを重ねたことで、2人は離ればなれに。その後、みいちゃんは不良たちから薬物や暴力による被害を受ける。最終的にみいちゃんの母親が発見し、山の中に遺棄。みいちゃんの死後、山田さんも精神的・肉体的に追い詰められてしまい亡くなってしまう。みいちゃんだけでなく、山田さんまでも亡くなってしまうという展開に、読者からは驚きの声が上がっている。

最終的な2人の死は単なる「弱者が社会から排除された」という話だけではない。山田さんは社会生活をこなせるからこそ、周囲からは適応できる人間であると見られやすい。しかし、問題なく日常生活を送っているように見える人にも、その人なりの孤独やもろさがある。

山田さんの場合、その生きづらさがみいちゃんとの関係によって浮き彫りになった、と読むこともできる。山田さんはみいちゃんとの関係から精神的な支えや意味を得ていた。みいちゃんが壊れていっただけでなく、みいちゃんとの関係の中で山田さんも壊れていったと言えるのではないだろうか。

ネット上では賛否両論さまざまな声

SNSやマガジンポケットのコメント欄では、賛否両論の声が広がっている。否定的な意見では、「何もかも投げやりな感じ」「打ち切りだったのでは?」「結局作者は何を伝えたかったの?」という声がある。

一方で、「実際ありそうな展開や結末だった」「無駄なエンタメ展開などもないから終わり方が良い、現実はこんなもんだよな」という肯定的な意見も見られた。このように読み手によって意見が大きく分かれる結果となった。

アニメ化に伴うトラブルや更新が不安定な時期もあったが、無事に作品が完結したことはファンにとっても喜ばしいことなのではないだろうか。

特性や障害に対してどのように向き合うべきか

前回の記事では、「軽度知的障害は外見だけではわかりにくく、周囲に理解されにくい現実がある。本人が生きづらさを抱えていても、身近な家族でさえ障害や特性に気付かないケースも少なくない。障害の特性や困りごとは一人ひとり異なり、作品の描写を実在する当事者すべてに当てはめることはできない」と取り上げた。

では、本人が自分の特性に気付いていない場合、周囲はどのように接すればよいのだろうか。

「みいちゃんと山田さん」では、みいちゃん自身だけでなく、母や祖母など周囲の人々も彼女に特性や障害があるのかを認識していない。そのため、福祉などの支援につながったほうがよいと思える状況であっても、本人からすれば「自分は普通に生活している」「なぜ支援が必要なのかわからない」と感じることもある。仮に周囲が福祉の利用を勧めても、本人がそれを突っぱねた場合、どこまで介入していいのか。

本人のためを思って支援につなげようとすることと、本人の意思を尊重することの間には難しさがある。そもそも理解するとは、相手のことを完全に把握し、正しい答えを与えることではなく、本人にも自分では気付けない部分があることを含めて、その人と向き合うことなのではないか。

文/佐藤杜美 内外タイムス