【バレー男子】指揮官が明かす56年ぶり五輪メダルへの青写真 メンバー固定で徹底強化 ティリ監督「リスタートではなく、継続」
バレーボールの男子アジア選手権で2連覇し、2028年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得した日本代表が14日、都内で会見に臨んだ。3大会連続11度目のロス五輪では1972年ミュンヘン大会金以来、56年ぶりのメダル獲得を目標に設定。21年東京五輪でフランス代表を金に導いた名将、ロラン・ティリ監督(62)は「リスタートではなく、継続」とし、メンバーを固定するなどの強化プランを掲げた。
歓喜から一夜明け、チームの視線は2年後に向いていた。28年ロサンゼルス五輪の約2年前の早期に切符を獲得。主将の石川は会見で「五輪の出場権を獲得できたけど、僕たちのゴールはここではない。五輪でメダルを取ることが最終目標」と言葉に力を込めた。アジア選手権MVPの藍も「常にメダルを取ることだけを考えてやっていく」と、日本の56年ぶりの五輪表彰台に狙いを定めた。
ティリ監督が迷いなくメダルへのロードマップを示した。アジア選手権で五輪切符を得たことで、五輪までの約2年、準備に集中できる。指揮官は「リスタートではなく、継続」とした。五輪までの国際大会を新戦力を試す場とするより、主メンバーを固定し「どの大会でも表彰台に乗ることが目標」と明言。五輪の登録選手はアジア選手権の14人から12人に減り、競争はあるが、チームとしての経験値を高めることを重視する考えだ。
確かな実績がある。ティリ監督は、12年ロンドン五輪で出場権を逃した母国フランス代表を率い、21年東京大会で同国初の金メダルに導いた。約8年の強化計画が実った。「五輪は長い年月をかけて大きな志を持ってやっていくのがカギ。同じチームで試合に出て、勝利を重ねることがメダルにつながると考える。日本代表にも同じ経験をさせたい」と説いた。
日本は24年パリ五輪では準々決勝でイタリアに敗れ、メダルに届かなかった。フィリップ・ブラン前監督(66)が育てた石川、藍ら同五輪メンバーは8人が残り、成熟したチームで五輪出場を決めた。「我々は素晴らしい夏を過ごした。このチームで生まれた自信を維持し、全ての経験をともに重ねる」と指揮官。石川も「僕たちはパリで悔しい思いをした。ロサンゼルスでメダルを取るために、準備する」と決意を明かした。つかみ取った約2年のアドバンテージを経験に変え、パリでの忘れ物を取りに行く。(宮下 京香)
◆21年東京五輪のフランス代表 12年に就任したティリ監督が9位だった16年リオ五輪に続き、指揮を執った。1次リーグはB組2勝3敗の4位で決勝トーナメント(T)に進出。準々決勝でポーランドに3-2、準決勝ではアルゼンチンに3-0で勝利。決勝はROC(ロシアオリンピック委員会)に3-2で競り勝ち、初の頂点に立った。2大会連続でエース、イアルバン・ヌガペトがMVPに輝いた。
◆バレーボール男子のロス五輪切符 開催国の米国と日本の2チームが決定。北中米、南米、欧州、アフリカの各大陸選手権で1枠ずつ決まる。27年9月のW杯(ポーランド)で有資格チームを除いた上位3チームに付与され、残りの3枠は28年ネーションズリーグの1次リーグ終了時点での世界ランク上位3チームが得る。
