新NISAで「配当金5万円」なのに、銀行口座に“4万円”しか振り込まれておらず驚愕!「NISAは配当も非課税」のはずなのに“消えた1万円”はどこへ行った? 注意が必要な「受け取り方」を解説
NISAで買った株なのに、なぜ約2割が引かれたのか
NISA口座で買った上場株式の配当金が非課税になるのは、受け取り方として「株式数比例配分方式」を選んでいる場合に限られます。これは、証券会社の口座で配当金を受け取るやり方です。
一方、指定した銀行口座で受け取る「登録配当金受領口座方式」や、ゆうちょ銀行などに配当金領収証を持ち込んで受け取る「配当金領収証方式」のままだと、NISA口座で買った株であっても課税されます。日本証券業協会も、これらの方式では非課税とならず源泉徴収されると案内しています。
事例では、「株の配当金が銀行口座に振り込まれていた」ということなので、受け取り方式が株式数比例配分方式になっていなかった可能性が高いでしょう。NISA口座を開いただけでは受け取り方式は切り替わらないため、見落としやすいところです。
なお、NISA口座で買った株式投資信託の分配金には、この手続きは必要ありません。株と投資信託では扱いが違う点に注意が必要です。
配当金5万円から引かれた税金はいくらか
上場株式の配当金からは、所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%、合わせて20.315%が源泉徴収されます。配当金5万円の場合で計算すると、次のようになります。
・5万円×20.315%=1万157円(引かれる税金)
・5万円-1万157円=3万9843円(振り込まれる金額)
内訳は次のとおりです。
消えた約1万円の正体は、こうして源泉徴収された税金でした。「株式数比例配分方式」にしていれば、1万157円はかからず、5万円がそのまま手元に残った計算になります。
次の配当を非課税にするには、いつまでに手続きすればよいか
日本証券業協会は、非課税になる「株式数比例配分方式」で株の配当金を受け取るには、保有銘柄の配当基準日までに手続きを終えておく必要があるとしています。
手続きにかかる日数は証券会社によって違うため、早めに確認しておきたいところです。配当の基準日は銘柄ごとに決まっているため、次の基準日から逆算して動くとよいでしょう。
いったん「株式数比例配分方式」を選ぶと、同じ証券会社だけでなく、ほかの証券会社の特定口座や一般口座にある上場株式の配当金等にも、そのまま同じやり方が適用されます。証券会社ごとに違う受け取り方式は選べない仕組みです。
すでに引かれた1万157円を、NISAの非課税に戻すことはできません。ただし、確定申告をすれば、総合課税を選んで配当控除の適用を受けたり、申告分離課税を選んで特定口座や一般口座の譲渡損失と損益通算したりする方法もあります。
まとめ
NISA口座で買った上場株式の配当金が非課税になるのは、配当金の受け取り方で「株式数比例配分方式」を選んでいる場合だけです。銀行やゆうちょ銀行で受け取る方式のままだと、5万円の配当から1万157円の税金が引かれ、手元に残るのは3万9843円になります。
消えた約1万円の正体は、税金だったわけです。次の配当を非課税で受け取るには、持っている銘柄の基準日までに、証券会社で受け取り方式を変えておく必要があります。まずは、自分の口座がどの方式になっているかを確かめてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)
執筆者 : 高橋祐太
2級ファイナンシャルプランナー技能士

