大手タクシー会社「東京エムケイ」のオーナーで元社長の青木政明氏(62)。写真右は椅子を投げつける防犯カメラ映像(関係者提供)

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「ファックメン! ユーファックメン!! 帰れ、お前の考え方。お前なに喋ってんだお前! お前帰れやアホ!!」

【写真で見る】「ファックメーン!!」「お前らやめろ!」”パワハラ事案”のカメラ映像の全内幕

 社員らに英語混じりで怒号を飛ばし、椅子を投げ飛ばす男性。大手タクシー会社「東京エムケイ」のオーナーで元社長の青木政明氏(62)だ。"パワハラ事案"が起こったのは8月13日の早朝、東京・汐留のオフィスで朝礼が行われた際だった。

 この事案は「デイリー新潮」が9月2日付で、当時の映像とともに記事を公開したことで発覚。同日中に青木氏の姉でもある「東京エムケイ」松原京美社長が記者会見を開き、謝罪する事態となった。

 NEWSポストセブン取材班は当時の様子を知る現役社員らの証言と、およそ5分間にわたる"ブチギレ映像"を得ることができた。日常茶飯事だったという青木氏のパワハラの全容とは。社員らの証言をもとに、その詳細を報じる。【前後編の前編】

 社会部記者が解説する。

「青木氏は『エムケイタクシー』の前身である『ミナミタクシー』の創業者・青木定雄氏の次男です。1997年ごろに『東京エムケイ』の設立に携わり、代表取締役に就任。同社はいわゆる"流し"や駅前にいるタクシーではなく、予約制のハイヤーを中心とする法人です。

 青木氏は過去の暴力トラブルなどで責任をとって役員を辞任。退任はしましたが、『東京エムケイ』の全株を保有しており、事実上、権力を持ち続けていた」

 そんな青木氏が近年、「東京エムケイ」で力を入れていたのが英会話だった。インバウンド客の増加を受けて、社内に独自の英語教育の仕組みを作り、英会話能力の習得を推進していたという。現役社員が説明する。

「ファックメーン!!」と声を張り上げ…

「ESD(English Speaking Driver)というブロンズ、シルバー、ゴールド、ゴールドプラスという4段階のランク制の資格が存在します。うちのハイヤーは空港案件が多いんですけど『なにかしら(資格を)持っていないと空港案件は行かせない』と過去にオーナーが言い出したこともあり、見かねた前社長が、比較的、取得が簡単なブロンズというランクを新たに作った。『他社と差別化を図るために英語を学べ』という話自体は正しいんですが、プレッシャーが強烈で……」

 別の社員はこう証言した。

「今年に入りオーナーから『3か月以内にブロンズを取るように』という指示がありました。うちには50~60代のベテランで、英語は学生時代ぶりなんて人だっているわけです。それがいきなり『英語のテストに受かれ』というのは、さすがにかわいそうですよ」

 くだんの"ブチ切れ"事案も、主にこの英語教育が原因だという。9月2日の謝罪会見によれば当時、オフィスには点呼のため数人の乗務員が集まっていた。海外にいることの多い青木氏だが、この週は東京に滞在しており、オフィスに立ち寄ったそうだ。会見では青木氏が"英語のテスト"を行い、乗務員が答えられかったことがきっかけで、激怒したという。

「オーナーが激昂する前、社員に『いつ帰られるんですか? を英語で何て言う?』と質問していたそうです。ある社員が答えられなくて、オーナーが『英語を話せるドライバーはいないんか。〇〇(英語を話せるドライバー)はいるか?』と幹部社員に尋ねた。

 その社員が休みだと伝えるとオーナーが突然『ファックメーン!』と声をあげ、あのブチ切れが始まったそうです。キレるオーナーをなんとかなだめようと『〇〇は前から休みって決まっていたじゃないですか』と幹部社員が言ったら、今度は『今すぐ呼べ!』となった。『お前のその考え方やめろ!』とわけのわからないことも言いはじめて、この時点ですでに手がつけられないテンションだったようです」(事情を知る乗務員)

 怒りの矛先は、新人社員にも向けられた。当時、朝礼に参加していた社員らは、恐怖のあまり顔を引きつらせたという。前出の社員が続ける。

「幹部社員は『違うんですよ』という感じでなんとかオーナーを落ち着かせようとしました。でも本人はすでに『うわぁぁ!』って感じになっていて、しまいには『仕事をとってこい!!』と言い放ったそう。外に出て、お客さまをとってこいということですね。

 それでそのあとその場にいた新人社員5人のうちの1人にオーナーが『何か月、働いてるんだ?』と聞いて、その子が『2年です』と答えたら、いきなり物を投げ出した。おそらく『2年働いてまだ英語できねぇのかよ!』みたいに解釈してキレたんでしょうね」

 複数の社員に取材を試みたが、オーナーの青木氏への恐怖や不満は相当なものだった。取材した全員が「今回の事案に限らない。暴言は常態化しています」と半ばあきらめた様子で話し、改善を訴えた。続く記事ではさらにそんな青木氏の"裸の王さまぶり"を詳報する。

(後編につづく)

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