必ず復活させる!伝統技法の鯉のぼり 老舗の染め物店が被災して休業中 仕事再開を望む職人たち 熊本・八代
7月の熊本地震で、八代市にある老舗の染め物店が大きな被害を受け、休業を余儀なくされています。
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伝統の技を未来に繋げようと、再開に向けて模索しています。
損失は1000万円以上に――
「ここが型紙を彫る部屋なんですけど、建物自体が揺れで傾いています」
――危険度はここは判定はどうなっている?
「住居じゃないから見に来られてないです」
――でも傾いているところを見ると入るのも怖いですね。
八代市鏡町にある、平本染工場です。鯉のぼりや五月節句のぼり、法被などを作る染め物店です。
秋に行われる祭の手ぬぐいの注文が増え、繁忙期に差し掛かった矢先の地震でした。損失は1000万円以上に上ると言います。
平本染工場 平本裕貴さん「(注文は)キャンセルしてもらって、どうしても必要だという分だけ、よその染物店に協力してもらって注文を回している」
九州で唯一の技法を継承
今年で創業128年。看板商品は「鯉のぼり」です。
杖立温泉で泳ぐ一部も平本染工場で作られたものです。
職人が染料を一色ずつ生地に刷り込む「手捺染(てなっせん)」という方法で鯉のぼりを作るのは、九州ではここだけです。
しかし、染料を温める窯は、崩れた煙突のレンガで埋め尽くされ、台の下に蒸気を通して温めながら染める機械は、まだ動作確認すら出来ていません。
工場は、しばらく休業となりました。
「早く仕事がしたい」
この道33年、14人いる職人の一人、平木孝二さん(66)です。
仕事ができなくなり、地震で被害を受けた家の片付けをしています。
――染め物の楽しさはどんなところですか?
平木孝二さん(66)「一つ一つ違うんです。一つの型ごとに、自分で考えながら染めないといけないし、出来上がってうまく染めあがった時は、達成感がある」
――仕事の話をするときに表情が明るくなりますね?
平木孝二さん(66)「好きでやっている仕事ですから。仕事を早くしたい」
次の世代に伝えていかなければ
特殊な機械も多く、復旧には大きな費用がかかるとみられていますが、それでも、再開に向けて前を向く理由があります。
平本染工場 平本裕貴さん「子どもの時からあるものなので、大切に未来へ引き継いでいきたい」
平木孝二さん(66)「伝統に大きく関わった仕事なので、次の世代に伝えていかなければならないと思う」
染色作業に欠かせないのは水です。外の作業場にあるポンプを開いてみました。
平木孝二さん「地震が起きた時は井戸水自体が泥水に変わった。今は透明な綺麗な水になっている」
大谷優作さん「少し、希望というか」
伝統の技術は「職人の手」に
水を貯めることもでき、一安心のように見えましたが…
大谷優作さん「機械も多分大丈夫ですよね?」
平木孝二さん「試してみて」
大谷優作さん「こんなに水が溜まってましたっけ?こんなに下まで水がいってなかったと思うんですけど」
平木孝二さん「高さが合ってない」
2つある機械の、水面からの高さが合わなくなっているようです。
平木孝二さん「元通りに作業ができる状態には、まだまだ時間がかかると思います」
建物や機械が傷ついても、伝統の技術は「職人の手」にあります。
再開の目途は立っていませんが、日本の文化を絶やさないため、一歩ずつ歩みを進めます。
平本染工場は、クラウドファンディングで支援を募っているということです。
