頼れるのは太陽の光だけ ルノー 4 プラン・シュッドで1400km(1) ソーラーパネルの電気でグレートブリテン島を縦断してみた
太陽の光を頼りに1400km走ってみよう
太陽の光を頼りに、1400kmを5日間で走ろうという今回の旅は、想像より簡単なものではなさそうだ。何しろ、グレートブリテン島は夏でも雨がちだから。
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スタート直前に立ち寄った、ロスキリーズ・ファームのラップトップを確認すると、ルノー 4 プラン・シュッドへ供給される電力は僅かなことがわかる。しかし、移動式電源を専門とし、この旅をサポートするパワーロジスティクス社が、秘策を用意していた。

ルノー 4 E-テック・プラン・シュッド(英国仕様) スタン・パピオール(Stan Papior)
同社のイアン・ペニストン氏が牽引してきたのは、300kWhのリチウムイオン・バッテリーを積んだトレーラー。太陽光で充電済みらしい。
「これで充電すれば、(グレートブリテン島南西の)ランズエンドまで走れるでしょう。記録への挑戦を、始められますよ」と話す彼は、テイラー・スウィフト氏のコンサートツアーで、電源トラブルを一切招かなかった経歴を持つ。
目指すのは1406km向こうのジョン・オ・グローツ
4 プラン・シュッドのバッテリーを、太陽光で作られた電気だけで充電するというルールは、今回の旅の核にある。ペニストンは、自社で提供される電力が、完全に太陽光由来だと話す。風力発電も含めて、他の電力が混ざることはないと断言する。
数週間前の筆者は、カナダの北極圏にいた。氷点下40度で太陽光発電しながら、EVを充電する実験に挑んでいた。北極圏で運用できるなら、英国では簡単だろうと冗談交じりに口にした。それが、今回の旅のきっかけとなった。

ルノー 4 E-テック・プラン・シュッド(英国仕様) スタン・パピオール(Stan Papior)
この話へ、高性能充電システムを展開するノルウェーの企業、イージー社が関心を示してくれた。ソフトトップの4が挑戦へピッタリなEVだと考えたルノーも、車両提供を申し出てくれた。人気の観光地、ランズエンドがあるコーンウォール州は曇天だけれど。
ゴールは本島の北端に位置する村、ジョン・オ・グローツ。距離は1406kmもある。
大人2と最低限の荷物で航続距離は320km
「ソーラーパネルが見当たらないですね」。スタート地点で、4 プラン・シュッドを見送ってくれたカップルが呟いた。確かに、この周辺にはなさそうだ。
出発直後に、気まぐれな陽光が戻ってきた。そこで、コーンウォールの農場、ロスキリーズ・ファームへもう一度立ち寄ることに。ここでは、太陽光で作られた電気を得られる。エスプレッソで、人間もリフレッシュできる。

ルノー 4 E-テック・プラン・シュッド(英国仕様) スタン・パピオール(Stan Papior)
クルマへ戻ろうとすると、自家製アイスクリームを手に、主人のロスキリーズが笑顔で歩み寄ってきた。スコットランドまで溶けないよう、ポータブル冷凍庫に入れて。
計画時点では、少々厳し目に、満充電での航続距離は260km程度だと予想していた。だが、乗員は運転する筆者と同行カメラマンの2名で、最低限の荷物や機材に絞ったことで、少なくとも320kmは走れることが直ぐに判明した。
英国の電力のほぼ半分を太陽光で賄えた1日も
次に目指すのは、北東に進んだサマセット州に拠点を置く運送会社、JBウィートン社。ここの敷地には、英国最古のソーラーファームが敷設されている。
代表のマーク・ウィートン氏は、巨大な倉庫の屋根と隣接する敷地にソーラーパネルを並べたことで、年間数10万ポンド(数1000万円)も燃料費を節約できていると話す。4 プラン・シュッドは、2時間でバッテリーが満たされた。

サマセット州の運送会社、JBウィートン社の倉庫に敷設されたソーラーパネル スタン・パピオール(Stan Papior)
太陽光発電の業界団体、ソーラー・エナジーUKのガレス・シムキンス氏も、われわれへ会いにJBウィートン社を訪れてくれた。今回の旅では、望ましい充電ポイントを探すに当たり、彼の協力は重要なものになった。
「4月のある日には、英国の電力のほぼ半分を太陽光で賄えました。昨年は約26万件の小規模な太陽光発電が導入されましたが、その殆どは住宅の屋根。今年は更に増えるでしょう。エネルギー価格が高騰し、需要は増えています」。シムキンスが話す。
執筆:ジェレミー・ハート(Jeremy Hart)
撮影:スタン・パピオール(Stan Papior)
この続きは、ルノー 4 プラン・シュッドで1400km(2)にて。

