「失われた30年間」、いま、そのしわ寄せが…(C)日刊ゲンダイ

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「人手不足倒産」が急増している。ここ数年つづいている傾向に拍車がかかっている形だ。

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 東京商工リサーチの調査によると、2026年8月の「人手不足倒産」は32件と、前年同月の23件を大幅に上回り、8月としては過去最多を記録した。産業別では「建設業」と「サービス業」が各10件と最多だった。

 1~8月の累計も333件と年間最多ペースとなっている。1~8月累計のうち、「人件費高騰」が175件(121.5%増)、「従業員退職」が81件(17.3%増)と、それぞれ過去最多を更新している。

「人手不足倒産は、①人材を確保するために、身の丈を超えた賃上げをした結果、資金繰りが悪化するケースと、②賃上げをできないため従業員が退職してしまい、業務を遂行できなくなる……という2つのパターンがあります。人手不足が目立ちはじめたのは、やはりコロナ禍があけ、経済活動が活発になってからです。2024年から一気に表面化した。とくに、他の産業に比べて賃金が低い業界や、大手と中小の格差が大きい業界に目立ちます。待遇の悪い業界や企業から人が離れています」(東京商工リサーチ情報本部の坂田芳博氏)

 建設業界は、高齢化が進んでいることも大きいという。飲食業界は、コスト高を価格転嫁できない企業は人件費を捻出できず、よい人材を確保できなくなっているという。

「どの企業も若手が欲しいが、若い人ほど辞めてしまう。いまどき、残業をしているのは40代、50代の管理職ですよ。サービス業では、退職→負荷増加→退職という悪循環に陥りがちです」(人材コンサルタント

 経済ジャーナリストの松崎隆司氏はこう言う。

「日本は急速に人口が減っているうえ、外国人労働者の受け入れも進まない。人手不足の解消は難しいでしょう。企業も労働者不足を前提にするしかない。たとえば、5人でやっていた業務を4人で回せるように、業務を徹底的に合理化して不要な業務を減らすことです。もうひとつは、同業他社との連携です」

 低成長・低賃金・低金利がつづいた、いわゆる「失われた30年間」、日本企業は労働者を安い給料で酷使してきた。ハケン社員が急増したこともあって、「ワンオペ」や「ブラック企業」もまかり通ってきた。

 しかし、もはや労働環境をよくしても人が集まらなくなっている。

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